とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

638 名もなきコンビネーション

今回は「複合技のこと」。

オーサムアニーからもう1つ。

オーサムアニーみたいに「特別な呼び名」のある複合技って、あんまりないな …… という話です。オーサムアニーはトードとクルーガーを繰り返す動きで、くっつけたら違う名前になっちゃった的な技。「Awesome(すごい)」は別として、「Annie(アニー)」ってだれ? みたいな印象もあります。

TJとかジャーミーのように、1跳躍の中で複数の技をつなげるタイプの技(多回旋)には、代表的なものに特別な名称がついています。本来は、[S・トード・O]や[S・クルーガー・C]なのが、違う名前になってます。(ちなみに考案者のお名前からとってるらしい)

でも、オーサムアニーの[トード、クルーガー]みたいに、着地をはさみつつ複数の技をつなげるタイプの動きだと、フリースタイル演技でいろいろ見るわりに、それっぽい名称を聞いたことがないのです。

この 0:50 の回転系の技とか、

 

 

この 0:21 のラップ系の技とか、( 145 どうなってるの、この動き?(2) でも紹介しました)

 

カッコいいのに、そういえば固有の呼び名って聞いたことがない。

技名を並べれば記述できてしまいますし、どんな技かもわかる(それが共通言語を使う意味でもある)ので、わざわざ「名づける」こともないんでしょうけど――。


それじゃさびしい!

特別な呼び名があって魅力が増える一面はあると思うんです。左右に振るリリースを竜に見立ててドラゴンスイングと呼んだり、リリースを背中で縄に引っかけて止めるのを納刀に見立てて(?)サムライソードと呼んでみたり……。

これは語感から別のイメージを想起できる技。こうやって、わざわざ特別な呼び名があることで、技そのものにも特別感を上乗せできる。だって、技自体は何も変わってないのです。命名が印象につながる、いわば言葉の力でしょう。

つなげた動きだとあまり見ないと書きましたが、ステップ系はキャンキャンとかホップスコッチとか技名のオンパレードです。「もも上げと正面伸脚上げ」「開脚と後ろひざ曲げ」みたいに説明風だとややこしいので似た動作から名前を持ってきた感じでしょうか。


これで思いだすのがこの動き。

 

以前、年末の干支(えと)ネタで犬系を探していたときに知った名前です。犬が首をふりふりじゃれる様子 ―― なら平和なんでしょうけど、翻訳は凶暴な様子と出てくる……。

同じサイトには、オーサムアニーをきつい交差にしたような「Mission Impossible」なんてのもあって、あまり聞かないけど、堂々と命名されたものもあるようです。ちなみに、トードの姿勢でリリースする技、 579 7年ぶりのリリース でなんて呼ぶのかわからないと書きましたが、「Toad mick」でいいらしい。ここで解決。そのまんまでした……。


複合技には目新しさがあります。

1つ1つの技は知られていても、そう組み合わせたか! という驚きがある。フリースタイル競技のルールだと、評価点の中にオリジナリティを見ている部分があって、だれも跳んだことのない動きなんかは1つのポイントみたいです。

そうやって披露された技は、たとえば「OOさんの10JCの技」(※10JC=第10回全日本大会)と言うだけで通じてしまうくらい、動きだけで記憶に焼きつく技で、呼び名なんて求められていないのかもしれません。

それでも、名づけられた動きの数々が、どこかで称(たた)えられるように並ぶのを見てみたいな、とは思います。