とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

644 ぶん回す、その支え

今回は「回しかたのこと」。

ぶん回す感じ。

なわとびがうまくなってきた子が、3重系や4重系を回すときの感覚として言っていた ―― と以前友だちから聞いた覚えがあります。

たしかに、勢いの良さに言葉を当てるならぴったりですね。実際にその感覚で回して、どんどんうまくなってるっていいなあ、とあのころ思いました。というのも、その感覚、僕はつかめなかったからです。どれだけ力をこめても、縄はそんなふうに回ってくれませんでした。


今はすこし近づけたかな、と思います。

たぶん、「上まで回す」を意識できるようになったからでしょう。

あのころは、足の下を通すときに力を入れてばかりでした。回すというより、軌道の下半分で引っぱる動きになりがちで、3重とびクラスの技になると、足に当たることもしょっちゅうでした。それだけ軌道が崩れていたということです。

上まで回すと、下だけに力が入っていた状態からバランスが良くなります。意識して縄をコントロールできているのも大きいでしょうね。下から勢いよく回ってきた縄を次の回旋に向けて調整(ブレーキング)しやすいし、勢い不足なら手もとで力を加えることもできる。4重とびがうまくいったのも、ここがポイントの1つでした。

となると、ぶん回すって、「上下にしっかり回すこと」なのかもしれません。縄の軌道は円状ですけど、身体運動としては上下の動きですから、縄が上下にぐんっと伸びる、これを中心にした回転をぶん回すと感じるのかも。


ただ、それだけでは届かない話だと感じています。

思いますでなくて感じますなのは、実際に支えられずに崩れるのを感じるからです。これもたぶんが入るんですけど、ぶん回すくらいの勢いには、「支え」が必要です。

空中だと、いわゆる体幹になるんでしょうか。いくら縄がハンマー投げほど重くはないと言っても、勢いをつけるだけの力・運動は発生していて、その反動を空中で抑えないといけません。縄を引きすぎると体も空中で後退して、それを抑える力が必要になるのにも似た話です。


僕は体が右に傾いていて、力を入れると、背骨がずるっと右に回って滑るような感覚があります。これを体幹の弱さと言うなら、上下にぶん回す勢いに、体が耐えられない(右にブレる)。近づけた気はするけどまだ届かない …… と書いたのはそういうことです。

EBやトードのような特殊交差が入るとなおさらですね。


手がないわけではありません。

かがみぎみになれば、体のブレも抑えこめる。後ろ3重なんかはこのフォームでバランスを取る人も多いでしょう。ただ、この体勢は上下に縮んでいるようなもので、上下のぶん回しとは相性が良くないと思います。使うとしたら、跳びあがりは体を伸ばして上下の力を生かし、そこから体をたたむ流れでしょう。(5重とび以上になると、この流れが大半に見えます)

上手な人は腕を開いて4重系とか5重系を回しています。腕を開けば上下の縄の距離は短くなるので、短時間で回しやすいんだろうと思ってますが、あれってマネしようとすると、左右にブレないように体を支えるのが難しいですね。それでも体を支えてぶん回しに近い勢いがある。

速く回せる人が、回す技術以外に何を持っているかが見える気がします。