■ 寒くても跳びたい気持ちが一番
今回は「冬のこと」。
あけましておめでとうございます。
年始1作目は、原点に立ち返って冬のなわとびの話。
なわとびは冬のスポーツと言われてます。学校でも今がシーズン。でも、冬に向いたスポーツなのかな、と最近思うのは、体が動かなくなってきたからですね……。
・冬は寒くて体を動かしづらい
・縄も固いので切れやすい
・風が強くて縄が揺れる
並べてみると、まるでいいことがない。特に寒風。大雪がニュースになってるときでも、うちの地域は白いちらつきすらなく、代わりに強い風が吹くことが多いです。高い樹のてっぺんは揺れ、着地で舞った砂ぼこりは瞬く間に数メートル先に飛び去り ―― なんでこんな環境で跳んでるんだ? とたまに思います。
ただ、今さらながら、「目的が違うんだ」と気づきました。
タイトルがよく表しています。言葉を変えると、こんなふうに印象が変わってくるんです。
・「短縄」は冬の「運動」? → これはわかる
・「単縄」は冬の「スポーツ」? → やや疑問
マラソンもそうですが、なわとび(学校の長縄・短縄の短縄)は単純に「運動」なのでしょう。冬は寒くて、体も(合わせて心も)動かしづらい。全身を使えて、体も温められて ―― と運動量確保なんて言いかたもされながら、冬の運動になってるわけです。
冬休み、公園でなわとびカードっぽいのを保護者に見てもらいながら跳んでる子も見ます。カードに載ってる技は、そこまで複雑な動きではありませんし、回旋数だって2重とびまでが大半でしょう。ボリュームで言えば、回数のほうが大きそう。
一方、なわとび(専門スポーツっぽく聞こえる「single rope」の単縄)は動きも複雑だし、回旋数も競技系に走れば3重とびが入口に近い。寒くて凍(こご)えて固まった体には、なかなか厳しいものがあります。年齢を重ねると、切にそれを感じます。ほんと関節が動かない。分子運動が止まれば固体に近づくのは確かです ―― とまじめに言いたくなります。
ある意味、冬はなわとびの壁ですね。
冬に縛られていると言ってもいいでしょう。夏ならいいのかと言うと、今度は運動量がきつくて敬遠される。なわとびの世界大会は夏季です。でも、真夏に公園で毎週跳んでると話すと、いくら夕方でも大丈夫ですか? とびっくりされるのはなわとびライフの中で定番になりました。別に他のスポーツでも同じじゃないかと思うんですが、やっぱり延々と回数を追う「冬の体育」「持久運動」のイメージが強いのでしょう。
ここまでの話は屋外の話なので、室内で跳べる環境が整うなら、話は変わってきます。少なくとも寒風からは逃れられる。なわとびは施設利用で受けいれてもらえないこともあるので、そういう意味でも、冬が壁になってるという見方もできますね。
とはいえ、壁だの寒いだの言いつづけても始まりません。
心と環境を見つけていくほかないのです。心は楽しさ。寒くても、いろんな技で宙を舞える解放感とその熱意は変わりません。環境だって、風を防げるような、それこそ壁のそばで跳べればだいぶ違いますし、日当たりのいい時間を選ぶことだってできる。
そんな楽しさを、正月に合わせてなわとびイラストに。
今年もよろしくお願いします。