とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

680 肩から生まれる「滞空時感」

■ 跳躍は肩が上へと連れていく

今回は「ジャンプのこと」。

ジャンプするときにどこを意識するか?

今は肩かな……。3重あやとか4重とびの前に、予備跳躍で2重とびを入れることが多いんですが、そこで伸びあがっているのは、肩だと思うんですよね。


もうすこし言うと、背中側の筋肉も含めた肩

イラスト:左に跳ぶ前、右に跳んだところ。肩周辺に上矢印。それぞれ枠で囲んで、跳んだ枠のほうが高く配置されたデザイン。2つの枠がずれて余白ができるので、左に「Ready」、右に「Take off !!」と書き文字。左右の枠のあいだに、横から見た絵。背中側の筋肉に上矢印が描かれている。

肩から宙に跳びあがれ!

回しかたもジャンプと無関係ではいられないのがなわとびです。体が伸びあがるときって、いったん縄が上がって、上空にはばたく翼に連れていかれるように体も伸びます。縄を上に回すために、手や腕も上を向くからでしょう。

手や腕につながっているのは、肩。

このあと書くように、肩が動かないとジャンプもそこで止められてしまいます。特に、回すときに力が入る背中側の筋肉を上に持ちあげられるかが大きいと思います。縄や手に合わせて、背中側の筋肉を含めた肩も上がることで、腰から上も引きあげられ、腰から下も一気に空中へついていきます。

予備跳躍の2重とびくらいなら、ここまでの動きを考えながら跳べますし、前とびよりは縄に勢いもつくので、肩から空中へ伸びあがる感覚を一番大きく実感できるジャンプですね。

そこから、3重あやや4重とびに入ると、力が入るのでなかなか ―― というのが、次の肩が動かないとどうなるか、という話。


長いあいだ、肩を固めて跳んでいました。

「跳べない」って、ジャンプを阻害しているものがどこかにあるということです。それは何か、これまでいくつか書いてきました。単縄を始めたころから長いあいだ、それは「力み」だと思っていました。イメージで言えば、跳ぼうとする上向きの矢印を、回そうとする下向きの矢印が押しつぶしている構図です。


それをもっと突きつめてみると、力が入っているのは回す手と見せかけて、実は「肩」じゃないかと気づいたのはここ2~3年です。

 

 

回す動きに連動があるなら、縄からさかのぼると、手、手首、ひじ、肩と行きつきます。そして、肩に力が入れば、体の上部でジャンプを押しとどめていることになる。うまく跳べない子が、足だけ上がって体が上がってない姿を見ませんか? 自分でも、ジャンプが上半身で止まってしまう感覚を味わったことはありませんか?

肩が止めているのだと考えると、うなずけると思います。だから肩や周辺の筋肉を上げる。それも、縄とともに上げることで、縄の形も崩さない。今感じているジャンプのコツはそこです。


滞空時間にもつながります。

長く空中にいられれば、それだけ回せます。もちろん、回す技術や速さがあれば解決するのかもしれません。実際、体が沈んで滞空時間の短いしゃがみジャンプになっても、3重とびくらいは跳べてしまいます。体を支えやすいからでしょう。なので、滞空時間は必須とは言えません。

でも、そもそも跳べない人は普通の水準(高さ)すら作れていません。いつまでも、抑えこまれた高さで跳んでいる。一度は、高さを解放して、その中でできる選択肢を増やしたほうが、技術も、気持ちも、広がるでしょう。

いつもの言葉遊びですが、滞空感と言葉を合わせた「滞空時感」のようなものが必要なんだろうと思います。そのために、肩から上がる感覚を身につけたいですね。

この話を書いているとき、学校で2重とびを見せたら、子どもが「たっけえ(笑)」と楽しそうに笑ってくれました。めざした跳びかたで高いと言ってもらえたのは初めてです。伝えられるものができた、と思います。