今回は「けがのこと」。
前回の「経験」つながりで、けがについて書きたい。
僕がなわとびで一番痛めたのは腰だ。2回やった。どちらも、跳んでいる中で急激に筋を伸ばしたときだったと思う。2度目は1週間くらい、まっすぐ立つことすらできなかった。
他にも、サイドスイングで体がねじれて肩の関節のあたりを痛めたとか、つい最近だと、ドンキーの練習で着地が悪くてももを痛めたとか、結構いろんな場所を痛めている。
けがをすると、まず間違いなく痛みが残る。痛みはいやなものだ。今まで普通にできていた動作が、すんなりできなくなる。ゆっくりでも、できるならまだいい。腰痛になったら、まともにジャンプもできなくなるし、足首をねんざしたら普通に歩けない。
ただ、痛みが残って良かったのは、「どういう動きをすればそこが痛むのか」がわかることだ。同じ失敗を繰り返さずに済む。何より、たいていは無理のあるフォームが原因なので、「痛みを感じる姿勢をどう避ければいいか」とか、「痛む部分をほぐすストレッチはどんなものがあるか」とか、ピンポイントで改善につなげられる。
痛みは、そのうち軽くなるものの、小さな痛みは案外長く残る。つまり、それだけの期間は自分のフォームや柔軟性などの見直しが続くことになる。
今回も前回と同じ言い回しになるが、つまりは経験なのだ。自分の弱かったところが、けがで浮き彫りになる。それを繰り返すことで、弱さを克服していく。
二度とこんな目に遭いたくない。
けがをした人は、きっとこう考えるだろう。そして、「どうしてこうなったのか」も考える。何の動きが悪かったのか? どうすれば良かったのか?
スポーツでけがをした人は、意外と前向きだ。よほど調子に乗ったのでない限り、予想しない形でけがは起こる。起こったものは仕方がない。まだ、自分に予測できるだけの腕前がなかっただけのことだ。「自分で招いた災い」ではないし、これからも続けていきたいから、その失敗に立ち向かっていける。
だから、けがを避けるにはどうすればいいか、考えるようになる。
けがは嫌な経験かもしれない。でも、好きだからぶつかった壁だし、乗り越えるころにはかえって強くなっている。そう思いたい。
最後におまけ話だが、腰を痛めて外科へ行ったときに、説明に困った。当然、どういう状況で腰を痛めたのかを聞かれるわけだけど、
とびまるさん、そりゃわかりませんって。
ほんとは「屈んだ姿勢から急に伸び上がって脚を開くような跳び方をして……」なんて言ったような気がするが、それだって、意味は通じたとしても、「いやあなた、なんでそんな跳び方したの」と思われたと思う。
ちなみにこの先生、2度めの腰痛で行ったとき、「またなわとび?」とおっしゃった。僕のカルテにはそんなことが書かれてるのかもしれない(笑)。