とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

769 ジャンプリリースに見るなわとびの基礎

■ 不安定だから見える基礎

今回は「ジャンプリリースのこと」。

前回すこしふれたのでついでに。

とはいえ、この技、ジャンプしながらのリリースにならないんですよね……。どうしてもワンテンポ遅れて跳びあがって、ジャンプキャッチ程度になってしまう。

原因を考えていくと、なわとびのいろんな要素にも関わってくるな、という話です。

1.跳びあがれないのは支えに頼っているから。
2.回せないのは縄を動かせていないから。
3.うまく回らないのは手首の角度が悪いから。


1.跳びあがれないのは支えに頼っているから。

ジャンプリリースと言うからには、ジャンプして空中でリリースを回すのが本来の姿です。跳ばずにただ立って回しているとわかるのは、思った以上に足が地面を踏みしめて、支えているところなんですよね。

空中って、縄を回すときの反動や余波を、受け止める場所がないのです。だからジャンプリリースだとぐらついて、回ってくれません。受け止められるとしたら、体の芯。不格好ですが、体を縮めるようにして回すと、ぐらつきを吸収できます。

これは2重とびや3重とびでも同じことが言えます。力みがちだと足が地面に残って跳べません。背伸びして不安定さに慣れる練習にも、通じるものがあるでしょう。


2.回せないのは縄を動かせていないから。

これは縄を変えると気づきます。特に、重い縄にしたとき。安定はしなくても、縄が重みで回ってくれる感覚を知ると、自分が実は手やグリップを動かしているだけだったことに気づくのです。僕はメインがいわゆる韓国ロープで軽めなので、ここが回しづらい原因にもなります。

1の内容も関係するんですが、足で支えられれば軽い縄でも大きく回せるんですよ。それがジャンプリリースになると、不安定な空中で軽い縄を扱うことになって、どうも遠心力を作りにくい。軽い縄ではムリだ、という話ではなく、だから縄まで動かすことを意識して初めて回せるのだ、ということです。

昔、リリースは腰から上で回すものと書いてるかたが見えました。大学のサークルのかただったでしょうか。当時は普通のリリースさえ回せなくて、そんなに上で回すなんてできませんでしたが、結局縄を大きく動かせていなかったからでした。

ちなみに当時も韓国ロープで、軽いものを大きく動かす技術が足りませんでした。小さくまとまりすぎて縄が動かないと回せないのは、他の技でも同じ理屈です。


3.うまく回らないのは手首の角度が悪いから。

ここは自分のクセです。右手を左側面に向けづらくてリリースの角度が傾いてしまいます。垂直な軌道を維持できるといいんですけど、右に寄ってしまって、リリースが体に接近しすぎるのが悩みです。

ジャンプリリースだと、空中で回しているグリップが拳1つぶん自分に近づいてキャッチできないこともしばしば……。もうすこし体から離して回せばいいんですが、とっさの動きでそういう理想に「矯正」できないからこそ、クセなのです。

こういう場面は他の技でも多々あります。クセだからとあきらめるか、クセがあっても成功体験を重ねて自分なりに理想に近づけるか。ジャンプリリースだけの話ではないでしょう。


3つの話は、どれも他の技に話を広げました。

ジャンプリリースだけの話と思わず、別の技でも気をつけていくことが、足りない基礎を固めることにもつながるのでしょうね。

イラスト:左上に回転軌道に左右を囲われた「ジャンプリリース」の文字。ジャンプリリースする男の子のおなか、縄、手首に鋭角の線が伸び、「Support」「Move」「Angle」とレタリングされている。それぞれ隣に、「空中で体を支える」「縄まできちんと動かす」「体に寄らない手の角度」

足も手も離して見えるもの