今回は「新体操のこと」。
今まで知らなかったんですが、新体操にもロープがあるんですね……。
なわとびの、特に演技的な部分に新体操のイメージはあったんですが、僕はとりあえず、体が柔らかい動きがあれば新体操っぽいと思ってしまうくらいでした(笑)。実際の新体操の道具(手具というみたいです)も、リボンが思い浮かぶ程度でした。
なんでこんな話が出てきたのかというと、前回の話で書いた、臨時で児童館のなわとびクラブに参加してくれた子たちの中に、新体操をやってる子がいたからです。
臨時だったので、いろいろよくある技を教えたんですが、そこで返ってきた言葉が、
「これ知ってる!」
クロスフリーズをすでに知っていたと言うんですよ。
いつも来る子たちがお休みで、児童館のかたに急に人数集めで声をかけられた子たち。「2重とび跳べるかなー」とか、いかにも冬だけやってる感じだったんですが、けっこうみんな跳べました。
で、跳びまくって疲れたころに跳ばない技でクロスフリーズを教えたら上の反応。
「なんで知ってるの?」
「新体操でやったことある」
へえ、と言う間もなく、足を上げる人たち。めっちゃ高い(笑)。柔らかい(笑)。
基本なんでしょうか。たしかにそういうイメージはありましたが、新体操やってる人って、やっぱりとりあえず足を上げるんですね(笑)。
それはともかく、つま先を後ろに伸ばして持つポーズもしはじめて、これはフォームが似てる!と思ったのでグリコフリーズなんかも教えました(笑)。
「かかんない!」「ずれる!」と笑いながらすこしずつタイミングが合ってきて、成功したときにはやっぱり体をすーっと曲げてポーズをとるところが新体操の人らしかったです。
そんなわけで新体操となわとびで検索したら、いろいろ出てきたわけです。
手具のロープは、以前見たのを思い出しました。ただ、跳び縄と違ってグリップはないし、別の世界だと思ってあまり気にしなかった覚えがあります。
でも、今見ると印象が違いますね。
ポーズの決め方とか、きれいなフォームとか、一応演技をやってる身としては、一瞬にしてあこがれてしまいました(笑)。過去に見たときは、まだ技を覚えることだけで楽しかった時期で、「人に見せるもの」という見方ができなかったんだろうなと思います。
上の児童館の話で新体操をやってる子は、あえて性別を書かなかったんですが、だいたいの人は女の子が浮かんだと思います。実際そのとおりです。ただ、マイナーながら男子新体操というのもあって、ちょっと新体操のイメージが変わる演技です。
男子新体操の動画では必ず出てくるのが青森大学男子新体操部だそうです。いくつか見ていく中で、なわとび中心の演技がありました。
同じような構成で、2016年の演技もありました。
純粋な男子新体操とは違うパフォーマンスなのかもしれませんが、身体技術を身につけた人は縄でこういうこともできるのかと驚かされる動画でした。
日本のなわとび選手では有名な三村大輔さんは男子新体操の経験があるかただそうで、三村さんのフリースタイルには明らかに意識して演じている部分がいつもあります。技の完成度も高いんですが、そのあいまに新体操的なモチーフの入った動きで緩急をつけているので、他の人にない注目度があるのかなと改めて思いました。
新体操の「新」は、従来の体操とは違うのでつけられた「新」らしいです。
同じように考えると、フリースタイルは「新なわとび」と言えるのかもしれません。それ以前にリズムなわとびのほうが先にあったようですが、フリースタイルはもっと動きが広がった感じでしょうか。
音楽、体操、ダンス、いろんな要素を取り入れて、なわとびは新しいなわとびになりました。フリースタイルにあこがれて単縄を始めた身としては、そうした、新しいなわとびになる途中にあったいろんな要素を、知っているようで知らなかったのだと思います。
でも、そこに気づくと、新しい動きができそうな気がして楽しみが増えますね。
ボディラップで跳ぶだけでこんなに絵になる。演じることの、単純な深さを思い知りました。