今回は「技のこと」。
たぶんあまり見ない技の話。
前々回(638)、せっかく複合技をテーマにしたので、自分も1つ出してみます。
とはいえ、特別な名前をつけなくても、タイトルのように、わりとすんなり技名として記述できる動きです。(長いけど。) インバースTトードでいったん縄を引っかけて動きを止めて(フリーズ)、そこから反動を使ってリリースする技。
流れとしてはこうです。
1.インバースTトードを跳ぶ。
2.縄を前まで回す。回ってきた縄は跳ばずに脚の前へ。
3.この状態で手を左右に開くと、イラストだと右脚と右腕に縄が引っかかります。このあと、この縄の張り(テンション)を使ってリリースするので、縄はピンと張りましょう。
4.右手のグリップを離して、右脚に引っかけた部分を支点にするようにグリップを放ります。
5.続いて、右腕に引っかけた部分を支点にするようにグリップを円状に放ります。この途中で、右手はキャッチのために縄から抜きます。
6.最後にキャッチ。
支点回転型のリリースですね。
「支点回転型」は説明用の造語ですが、クロスフリーズリリースとか、Zリリースのような、張りと遠心力を利用した技です。学校でクロスフリーズリリースを教えると、意外と「体の一部を支点にして回す」で手こずる子が多いものの、インバースTトードをやってる時点で、たぶん支点回転の技術は経験済みの人が多いはず……。
なんで、こんなこんがらがった技に行きついたかというと、以前(今も?)アメリカでこういう複雑なロープトリックをする人が多かったからですね。Adam Jernberg さんとか。自分でもいろいろ試したとき、うまくいったのがこの技で、4、5年前に学校の夏祭りのパフォーマンスでも使ったことがあります。
普通のインバーストードで作ると、あまり縄が引っかからなくて、あえて腕を逆にしてフリーズを作っています。
この技には、ちょっと思い出があります。
僕は単縄を始めたころ、インバーストードの腕の位置が逆でした。それを見た友だちが、知り合って間もないころ、「それってリテアードじゃないですか?」と。(※当時はTトードのことをリテアードトードと呼んでいた) ずっと気になっていたらしいです……。
言われるまで気づかなかったんですよね。そんな経験もあって、インバースTトードを使った上の技は、かつてのカン違いが形を変えてこの手に収まったような思い出つきです。
638 を書いたとき、おかもんさんが Twitter でコメントをくださいました。
名前付くだけで確かに特別感でますよねー
— おかもん@なわとび専門店 OK Rope -縄の魔術師 (@OKAMON_u) 2022年7月10日
個人的には、複合技の名前がつきにくいのは、
〇種類がありすぎる
〇派生ができすぎる
〇定義が難しい
あたりですかねー
勝手に名前つける人が少ないというのもあるかもです https://t.co/geltLSpRDV
今回の技も、名づけてしまえば仲間入りできるのかな。とびまるリリースとか。
すでにやってる人がいるかもしれませんし、公認制度があっても申請はしてないだろうな …… と考えると、ブログで書いておくくらいですね。
そんなお披露目(ひろめ)でした。