今回は「グリコフリーズのこと」。
ネタっぽく見えますが、それなりにまじめな技話です。
夏に限定配信していた『ハートキャッチプリキュア!』を見ていたら、最新シリーズの『トロピカル~ジュ!プリキュア』に見逃し配信があるのを知って、中盤から見てます。途中からだったので過去話は感想サイトなどのまとめで見たんですが、あるシーンで思ったのです。
―― これ、なわとびのあの技じゃない?
当然、縄なんて持ってなくてポーズだけなんですが、なわとびブログを書いてる身としては1ネタ手に入れたというか、いや、これまでネタにするのはやりすぎかと思いつつ――。
作品のハッチャケた明るさにノっちゃおう! の気持ちに押されて描いちゃいました。
ビクトリー!
敵を倒したシーンで毎回これが入るんですが、お祭り花火みたいなノリに、最初ぽか~んとしてしまった覚えがあります。勝利の決めポーズって、もっと「それっぽい」ものじゃ …… という思いこみをふっとばす、この突きぬけた明るさ。そして気づく、このキャラのこのポーズ。
グリコフリーズに似てる……。
ビクトリー! では手を閉じてますけど、僕には一瞬、縄の幻が見えた気がしました。勢いとノリで頭が常夏になっていたのかもしれません。
そもそもこの子(みのり=キュアパパイア)、オープニングで無表情な文学少女っぽいのが変身すると表情が変わって、終盤の曲が盛りあがったところで目からビームを発射するという(実際はちょっと違う)、偶然エイプリルフール回でも見てしまったのかと思ったくらいの勢いでした……。
そしてグリコフリーズです。
跳んだ縄を後ろで足に引っかけるだけのフリーズ(止め)技ですが、子どもに教えると、なかなか足に引っかかってくれません。これ、縄をすこし前寄りに回すとやりやすくて、つまりは手を前に出してしまえば縄の軌道は前寄りになります。ついでに、引っかけないほうの足で縄をまたぐようにすると、形に入りやすいですね。
学校のなわとびだと、ひたすら技や回数に挑戦することが多くて、縄を止めてしまうなんてあまりやらないことです。ポーズを作ることに慣れていないとも言えます。なので、遊び気分・雰囲気が大事なのかなと、だんだん思うようになりました。
ちょっと恥ずかしがる子もいます。だからこそ、楽しめばいいんだよ! と僕は教えながら笑うようにしています。学校のクラブで、止める系のフリーズ技を1つは入れて、なわとびは跳ぶだけじゃなくて、違った自分を演じて楽しむのもなわとびだよ、と言えるように。
前半で今年のプリキュアはやたら明るいと書きました。
始めからこの方向の企画だったのが、このコロナのご時世で、なおさら、元気と明るさを届けてくれる作品になったのだそうです。それを思うと、どんなはじけっぷりも全部楽しめるような……。こういう気持ちが、なわとびでちょっと変わったポーズをとるのにも大切なんだろうなと思えます。
普段無表情なみのりが、変身するとあんなに表情からポーズまで多彩になるのも、内心あこがれていた自分でもあるみたいです。そんな瞬間を、フリーズ技で「演じ」られることを子どもにも教えられれば……。
映画公開にもなったので、『トロプリ』を借りての技話でした。
きっかけは目の前にいっぱいあふれてますね。