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とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

023 採点競技を通じて思ったこと、そして

今回は「採点競技とパフォーマンスのこと」。

粕尾将一さんのブログで、先日、印象深い記事があった。

採点競技としての縄跳び競技の課題、内向きから外向きのルールへ - なわとび1本で何でもできるのだ

採点競技での「いい動き」とはなにか。動きの「質」についてまとめてみた。 - なわとび1本で何でもできるのだ

ざっくり言うと、「採点競技としてのなわとびにはパフォーマンス性を入れづらく、見る側を置いてけぼりにしている」というのが1つめで、「採点競技のルールを維持しながらパフォーマンス性も組み込むには?」というのが2つめ。(ずれてたらすみません)

今回は、この内容について語ります。
これは「見る側」の話。
そのうえで、なわとび好きとしての感想を書きたい。


まずは「見る側」として。

とりあえず、粕尾さんがこの言葉を書いてくれたことに安心した。

何とか点数を稼げる「構成」や「組み合わせ」をみんなが考えていくから、
必然的にやる技も構成も似てくる。

これ、動画をたくさん見始めたころに感じていたことだ。
感じていたけれど、ハイレベルな技に対して失礼かと思って、ブログでも触れなかった。今こうして書くことも、まだ失礼かもしれない。粕尾さんのような上級者だからこそ書けることで、それに乗っかっているだけだから……。

でも、主に全日本選手権の動画で、自分の再生回数が多かったものは、このことが影響している。つまり、「難しい技だけじゃないもの」を僕はおもしろいと思って、よく見た。

粕尾さんが紹介していた柳下誠さんは、まさにその1人だ。
ダンス系のステップ、連続リリースや側宙、しまいには縄を置いての決めポーズなど、まるで見せ方が違う人だった。昨年の8JCを見たとき、この人こそ今の日本選手で一番「フリー」スタイルなのだろうと思った。9JCでも健在でうれしかった。柳下さんの拍手の件は、いろんな人がもらっていると思っていたけれど、意外とそうでもないらしいので驚きだ。やっぱり、数少ない「見せる人」なのかな?

三村大輔さんもそう。
この人は優勝の常連だけあって、高難易度の技もかなり入っている。でも、代名詞になりつつある後方宙返りや、跳ぶだけでなくポーズで演じて見せる姿があるので、一味違う。もう1つ、決定的な違いがあるとすれば、それは気迫。圧縮された熱意が途切れなく技を覆っている。切れ味鋭く、すべての技に目を引かせるのだ。この姿こそ、今の日本選手にいまだ立ちはだかる壁なのだと思う。

なお、SADAさんこと渡邊貞稔さんは別格。
あれはもう、フリースタイルというより「SADAスタイル」だ。これについては、忘れられない動画があるので、いつか別記事で。

……と、やっぱり、採点競技に身を置いていないと、「見る側」としては、どうしてもパフォーマンスを求めてしまう。単純にそこだ。「見る側」として粕尾さんの記事を読んだとき、パフォーマンス寄りの感想になる。


また、別の意味で高難易度の技は「退屈」を生むとも思う。

粕尾さんのように高難易度の技を見慣れている人には、構成が似ることに一種の「退屈」を感じるのだろうけれど、経験の浅い人にとっては、たぶん受け止め方が違う。

高難易度の技は、「すごい」けれど「速すぎてよくわからない」。

小学校で、TJをやるより、簡単なリリースや、レッグオーバーの連続技がウケるのに似ている。わかるもの、わかったうえで技を味わえるもの、そこに「見る側」は本気で感嘆する。


たぶん、視点の違いなのだ。

粕尾さんも、意見のあったAさんも、きっと演技者の視点で書いている。Aさんは実際に採点競技に身を置いているかたと思われるし、話の内容上、別にそれはおかしいこともなんでもない。視点の違いと言ったのは、「誰の視点を意識しているか」という部分にある。

Aさんはきっと、ジャッジの視点1本にしぼって見ている。真剣に採点競技に向き合っているからこそ、競技結果に一番関わる視点だけを意識している。ここまで、「見る側」としてパフォーマンス推しで書いてきたけれど、Aさんのひたむきさを思うと、今の採点競技に対して、安易にあれこれは言えない。採点競技者には、あえて「見る側」をはねのけてでもたどりつきたい場所があるはずだから。少なくとも僕は、そのひたむきな姿勢を尊敬したいし、はねのけられてもその熱意に触れられたことを大切にしたい。

粕尾さんは、ジャッジの視点もありつつ、観客の視点も意識しているように思える。「いい動き」という言葉は、ジャッジも観客も高く評価できる動きのことなのだろう。難易度と質のイメージ例は、ざっくりでも「こうだったらいいなあ」と思わされるものだった。

粕尾さんにしても、Aさんにしても、パフォーマンスで「見る側」を楽しませたい、という気持ちは共通していると思う。違うのは、採点競技の中でやるか、外でやるか、そこだけだ。

パフォーマンス、という言葉がお2人にとって適切かどうかわからないけれど、採点競技がより良い高みにのぼっていってほしい。単純だけれど、「見る側」としては、今はこういう感想にとどめておきます。


最後に、なわとび好きが思ったこと。

動画って、採点競技(主にフリースタイル)のものが多いんだよなあ……。

別に意図してそうなったわけではないと思うけど、どうしてもその手のものは、技の重複を避けたり、一発勝負で本人のベストでなかったりする。

もっと、自由に跳ぶ動画が増えてもいいと思う。
採点競技を見据えて練習しているかたが多いので、なかなかそんな余裕はないかもしれないけど、ルール不問のお楽しみ用のフリースタイルもあっていいんじゃないかな。公式大会には使えないけど大好きな曲で、ひたすら見せる技に特化したフリースタイルなんて、「見る側」としてはたまらないと思う。

生の演技を見る機会が少ない現在、「見る側」「観客」の多くは動画の視聴者だ。
パフォーマンス寄りな「見る側」である僕にとっては、大会があれば増えていく採点競技の動画だけでなく、本当に自由なフリースタイルの動画も増えていくことが願いです。

言うだけでなく、僕自身も、跳びたい技を跳んだ110秒のフリースタイルを、いつか見せられるようになれれば……。そのためには、いまだかなわぬノーミスを達成しないといけないけど(笑)。


3回分くらい書いた気がするので、イラストはお休みで。
でも、これまでで一番思いのたけを語った記事かもしれない。

なわとびって、楽しいよね。