とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

030 「縄の長さ」は「跳ぶ高さ」

今回は「縄の長さのこと」。

縄の長さは回す位置から5cm長いくらいがいい。

以前、体力づくりの研修を受けた先生の報告で、こんな一文を見た。この5cmという数字、最初は何を示しているのかわからなかったが、ある日、イメージしたらぴんときた。絵にしてみると、こうだ。

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説明図がわかりづらかったらすみません……。

回す位置まで手を下ろせば、足元に5cmの余裕ができるということ。
そう、5cmは跳んだときの高さなのだ。

跳躍には5cmもあれば十分ということだろう。もちろん、跳び方によって調節する必要はあるが、それは縄の世界に踏み込んだ場合の話。体力づくりを目的にした、持続性のある運動として跳ぶ場合、これくらいがいいらしい。

今回この「回す位置から」を紹介したのは、基準としてイメージしやすいからだ。5cmだけ長いことが、実際に跳ぶときの縄の余裕だということが理解しやすい。


よく、縄の長さは両足で踏んで胸のあたりがいいと言われている。検索しても、そういう説明が多い。そして、上手になるにつれて、腰のあたりまで短くしていこう、なんて流れになる。

これも回す位置のことを考えると、理にかなっている。なわとびの初心者は、回す位置が高くて、縄が長くないと足の下を通らないのだ。小さな子どもを想像してみよう。肩のあたりで必死で手をぐるんぐるん回している姿が浮かばないだろうか? あれで縄を通すには、やっぱり両足で踏んで、胸のあたり(さらには肩のあたり)までないと、ひっかかってしまう。

で、慣れてくると、今度は縄が「余る」感じになる。そうなると、縄を短くしないと長すぎて跳びづらい。このとき、どうして縄を長く感じるかというと、慣れるにしたがって回す位置が下りてくるからだ。なわとびをする人の多くは、コンパクトに回したほうが楽だということにどこかで気づく。

「胸のあたり」はよくある基準だけれど、よくできている基準でもある。やっぱり、たくさんの人に根づく話というのは、それなりの価値があるわけだ。


ただ、「胸のあたり」基準は、なんでその位置にするのか?という「根拠」をイメージしづらい。これで教わった人、あるいは教えている人は、根拠を聞かれて即答できるだろうか?

上で書いたように、結果としては理にかなっているので、説明できなくてもそんなに問題はない。ただ、それなら、「回す位置から」基準のほうが根拠をイメージしやすいんじゃないか、と思うのだ。思ったからこそ、こうやって紹介した。

何かを教える、教わるときには、根拠がわかりやすいほうがいい。頭のどこかに「よくわからないけど、とりあえず」的なものを残していると、足かせになってしまうし、失敗したときに思わず言い訳にしがちだ。

縄の長さは回す位置から5cm。

回す位置という基準、さらに、跳ぶ高さまでイメージできるこの教え方、僕にとっては目から鱗だった。きっと、なわとびで一歩先に進めるヒントになると思うのだけれど、どんなものでしょうか。