今回は「回し方のこと」。
よくある話だと思います。
2重とびや3重とびをなんとか1回跳んで、2回目にも入る余裕がありそうなのに、いきなり引っかかる。「2回目で引っかかる」でもあり、「2回目に入れない」でもあるでしょう。
原因はいくつもあると思います。そのうちの1つをイメージできたので書こうと思います。
1回目の跳び終わりで縄を引きすぎると軌道がズレる。
こういう軌道のズレがあるから、2回目の最初で引っかかってしまうのではないでしょうか。
1回目を、最後の1回旋まで力強く回そうとした結果だと思います。腕を振りぬきすぎて、腕の位置がだいぶ後ろに行くので、軌道も後ろにズレてしまうわけです。そこで腕の位置を戻すことができれば、2回目も「定位置」からスタートできるし、軌道も後ろにズレずにすむのではないでしょうか。
ただ、「腕の位置を戻す」と言うのは簡単ですが、実際はタイミングが難しいです。
縄がすでに2回目に向けて回っているからです。その動きに合わせるように腕を戻さないといけません。戻すというより、もはや、2回目を回す動きが同時に腕の戻りにつながっているような状態と言えるのかもしれません。
そういうときに出てくるのが「間(ま)」です。
わずかな「待ち」の瞬間ですね。多回旋を連続で跳ぶときに、間を作るといい話は、ずっと初期に何度か書きました。当時は、回しっぱなしだと次のジャンプに入るタイミングがつかめないから、すこし待ちの時間を作って、跳ぶタイミングを合わせるのが間を作ることだと思っていました。
間を作るのは、「余裕を作る」ということだと今は思います。
間を作れば次の動作に移る余裕ができます。これは、跳ぶタイミングだけでなく、今回の回す動作にもついてもそう。引きすぎた腕を戻すだけの間を作ることが、すなわち2回目を回すまでの余裕です。
たとえば、1回目の跳び終わりで、なるべく縄を大きく動かして、すぐに前まで回ってこないようにするとか。手を上に向けて、軌道を大きく、さらにはすこし縄にブレーキをかけるような力ぐあいにすれば、だいぶ縄を空中で維持して、間を作ることができます。
これがうまくなってくると、1回目を跳び終えたあとを見越した回し方になると思います。
つまり、1回目の「回し」終わりですでに余裕がある状態です。特に、2重とびや3重とびになると、2回旋目、3回旋目で腕を後ろまで引っぱらず、体の横で止めて終えられるくらいのイメージで回せている状態ですね。
どうでしょう、そうしたら、最初に書いた「跳び終わりで縄を引きすぎている」は、もうなくなってますね。2回目も、だいぶ跳びやすくなっているのでは……。
今回の話は、この動画を見て気づきました。
以前、4重とびを跳んでいる動画をいろいろ見ていたときに出てきた動画の1つです。ひさしぶりにおすすめに現れて、違う視点で見ることができました。でも、4重とびの2回目を、ちゃんと間を作って成功させているのはすごい……。
跳んだあと(10:20 あたり)のコメントで、間を作ったことを「ずるい」とおっしゃってますが、そういう見方もあるんですね。僕なんかは、その一瞬に跳ぶテクニックを引き出した姿を見て、おお! と思ってしまいました。