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とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

112 縄の中のカクテルパーティー

今回は「なわとびと発達障害のこと」。

テンポに合わせること、人に合わせること、という流れで書いてきました。

この流れの中で、キーワードはいくつもあると思いますが、今回は発達障害をキーワードにして書きたいと思います。

発達障害

ここ数年で、言葉はだいぶ目につくようになったのではないでしょうか。僕は別に詳しく勉強したわけではなく、学校で働いているのでこの言葉に接する機会が多少ある程度です。一応、関係の文章を読んだこともありますが、一般人がちょっと興味で読んでみた程度。的確に説明できるわけではありません。

なので、資料に基づいた話ではなく、イメージ的な話ということをご承知ください。

ぼく自身、発達障害を持っています。具体的な診断を受けたわけではありませんが、いくつかの特徴は見事に当てはまります。これから書くことは、イメージに加えて、ぼく自身の実感によるところも大きいです。


発達障害を持つ人の特徴は、一言で言えば「不自然」だと思います。

なんか変。その場の雰囲気に合わないことを言ったり、ちょっとずれた動きをしたり……。特徴の説明でも、「空気が読めない」「行動が自分中心」という言葉がよく目につきます。その状態も軽いものから重いものまであって、発達障害が「あるか・ないか」ではありません。そして、基本的に「治る」ものではないようです。

そうなってしまう原因として、「こだわりが強い」という特徴が大きいと思います。

大きな意味合いでは、何かに対して興味が強いとか、ある趣味にかなり入り込むといったような形で現れます。それゆえ、他のことがあまり見えません。Aにこだわりが強い分、他の人ならすこしは興味を示すBやCを人に勧められても、あまり気が乗りません。Aが大切!ということで、頭の片隅がいっぱいなんですね。

同時に複数のことをするのが苦手という、特徴の1つでもあります。AもBもCも、ということができず、Aから動けない。そうした、A以外に「譲らない姿」が、まわりには不自然に見える、というわけです。僕もよくあることですけどね……。

こういう点がイメージされがちなんですが、実際はもっと細かいところで、こだわりが影響しています。

生活のいろんな瞬間で、「気になってこだわる」んです。わかりやすいのは、いわゆる「多動」でしょうか。小さなことでも気になると、突然そのことに意識が移ります。そういう人ならAもBもCも並行してできそうな気がしますが、実際は難しいです。このときはAだけ、このときはBだけ、とせわしなく気持ちが向いている状態であって、同時進行とは言えません。へたをすると、Aにこだわっているとき、Bに悪影響があっても気づかずにAのことだけを考えてしまいます。

多動に限らず、ちょっと考えごとをするといちいち腕を組むとか、妙に顔つきが固いまま人ごみで歩いているとか、そういう人がいますよね。そのとき考えていることにこだわっている状態です。そんな余裕のない姿をしていたら他の人の目にどう映るか、ということに頭が回っていないのです。上の、AにこだわってBを悪くする状態に近いでしょう。これまた、僕もよくあることですけどね……。

ときどき目にする不自然な人たち。その不自然さが、大から小まで「こだわり」でまわりが見えないことからくるもので、そういう人はたいてい発達障害っぽい、という話がおわかりいただけたでしょうか? 繰り返しますけど、僕はそう思っている、という意味です。


説明が大半になりましたが、これをふまえてなわとびのことを。

一見、こだわりが強ければ、なわとびに集中できるから、かえって上手なんじゃないか? と思えそうですね。でも、そう都合よくはいかない、と僕は思います。

なわとびが「複数の動きを同時に行う」ところが、最大の壁になるからです。

もうお気づきのかたも多いでしょう。こだわりの強い人にとって、短い瞬間で複数の動作を扱うなわとびは、本来、苦手と言ってもおかしくないのです。

縄を回すことを考えれば跳ぶことに意識がいかない。あるいはその逆……。手と足でも、単純ではありません。手首の角度とか、足が微妙に傾いたとか、動作の中で、さらに細かく気になる点が出てきます。

「カクテルパーティー効果」という言葉があって、パーティーのようにさまざまな音がある中で自分に必要な音声を選び取る能力のことを言います。要するに、情報を選び取る力ですね。これがうまくできない人は、自分に入ってくる感覚(情報)を整理しきれずにパニックになります。これも程度はさまざまで、あからさまにパニックを起こす人もいれば、本人の頭の中だけちょっと混乱状態という人もいます。

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なわとびだとこんな感じでしょうか。見るもの、聞こえるもの、いろんなことに瞬間的にこだわる状態。大事なことを選び取れていません。

残念ながら、ぼく自身、演技中はこうなりがちです。自分で描いて、ものすごく共感してます……。余計な情報まで気になる(こだわる)と他の動作が見えなくなって、ミスの元になってしまうんですよね。


上のほうで、発達障害は治らないと書きましたが、それじゃあつらいです。本人も、まわりの人も。ついでに、なわとびできないのもつらいですしね(笑)。

じゃあ、対処は?

なわとびで言えば、たとえば、なるべく何もないところで跳ぶことで、外からの情報(こだわりにつながる要素)をすこしでも減らすことができます。

一部の人にとって厳しい状態ですが、なんとかならないわけではありません。

このへんについては次回へ。