とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

701 足の下が聞こえる

■ 足の下のイメージを手につなげる

今回は「感覚のこと」。

なんだかホラーのようなタイトルですが……。

足の下は、なわとびだと縄が回っていく場所です。最近は、回した縄が足の下を通っていく感覚をイメージしながら回せていて、思いかえしてみると、これまであまりつかめていなかったイメージ像だな、と気づいた話です。

ここ2、3年、縄を上まで振ったり、手をちゃんと動かしたり、縄がしっかりと動いて回る感覚を徐々につかめました。ただ、それだけだと、張りや勢いがついているだけで、ねらって回せているレベルには行きついてないと思うのです。

ジャンプして足の下にできた空間へ、どうやって回すのか。

このイメージを持てることが慣れですし、ねらって縄を動かせる技術が身についたとも言えるんじゃないでしょうか。


コツの1つは、ジャンプの安定だと思います。

安定したジャンプではなく、ジャンプの安定。空中で回すために構える、体の支えです。

 

最近これを書いたせいもありますが、空中で、一瞬構える余裕ができると、そこから見えてくるものがあるのです。足の下を通っていく縄のイメージもそうで、足の下の空間というより、「時間」を予測できるのが大きい。

たとえば3重とびなら、縄が3回通過するまでにどれくらい時間がかかるのか、足の下のイメージが鮮明だから予測できます。具体的に O.O秒と数値化できなくても、3回旋分を頭の中でカウントしたときの「体感時間」が意識に残って、それが回すときの目安になるわけです。

ジャンプする男の子。足の下の空間から、想像のふきだしが生まれ、「1、2、3」と回すイメージにつながっている。そこから矢印の先に回すイメージ。そして、矢印はグリップを握る手に伸び、手が集中線で強調されている。

滞空予測回路

そして、それに合わせて回せるだけの技術があるか? が自分の中で問いかけられて、試されます。このあたりで、着地がぎりぎりになるかどうかも決まってきますね。3重とびで3回縄が通るまでひざを曲げっぱなしにするイメージが固まるなら、跳べるけどしゃがみ着地ということです。


思いきり回せば、縄は足の下を通ります。

足が地面から空中へ離れたときに、縄が何回回るかが「O重とび」。基本的に、思いきり回せば回すほど、3重、4重、と多回旋は増えていくものです。勢いをつけて、引っかからずに回しきれればO重とびは成功――。

ただ、それはあくまで回した結果でしかありません。跳ぶ前にその姿をイメージできるかどうかで、ねらった回しかたが生まれます。予測にかける時間の差が、技術差とも言えるでしょう。

最近、Twitter の過去話に2つピックアップしました。

どちらも、最後まで回しきる = 跳びきるための話でした。足の下を意識しているものの、とにかくそこへ「持っていく」「たどりつく」イメージで、どこか落ち着かない印象を受けます。ジャンプの視点からすれば、足の下へ回す構え・支えができていないから ―― ではないかと思います。揺らいだ体で足の下へ縄を持ちこんでも、不安定になりがちです。


広い目で見ると、普段の生活でも言えることですね。

何かしようとするとき、その場所で、時間内に、自分が動けるのか。

動けても、しゃがみ着地のように余裕がなくて、みっともない思いをしたり、他の人を巻きこんでしまうかもしれません。ただできるだけでなく、できたときの光景がどうか、という予測が行動の前にあります。

跳んで構える余裕や、合わせて回せる技術のように、準備があるからノイズのない予測ができて、人は動けるのでしょう。