とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

405 サイドスイング1回目をノーカウント

今回は「サイドスイングのこと」。

1回目のサイドスイングだけレベルに入れないのはどうか、という話です。

前回含めて何回かサイドスイングの話を書いてみて、毎度のように、「サイドスイングは回しはじめたときに足が床から離れていること」なんて、競技のジャッジでどうやって判別してるんだろうと思います。

ジャッジで議論されやすいのは、甘いサイドスイングをどこまでポイントとして取るかという点らしいです。じゃあ、1回目のサイドスイングをジャッジするのをやめたらどうでしょう?

提案ではなく、もしも話でメリット・デメリットを考えてみます。


メリットはもちろん、ジャッジで悩まなくていい点。

ここから何行かは、理屈だけで書きます。冷たい言い方に見えたらすみません。

サイドスイングが成立しているかどうかに判断力を消費する必要がなくなります。そもそも、どれだけ上手な人でも、動画をコマ送りすると、サイドスイングが地面を打ったときに足が接地しているように見えます。

見える、というだけで、実際はぎりぎりのところですでに跳んでいるのかもしれませんが、もし体の正面に回っている縄だったら足に当たらずに済んでいるだろうか ―― という疑念からは逃れられません。体の外で空回りしている以上、セーフかどうかを証明するには、すべてのサイドスイングをビデオ判定しなければならないのですから。

悩ましいものはルールとしてオールゼロにすれば、悩むこともなく、競技者の得点(というか不得点)も一律です。

ちなみに今回は、あえて「1回目の」サイドスイングと書きました。つまり、SS~の技なら、2つめのSはカウントします。これは、さすがに2つめのSなら跳び上がっているだろう、という考えなので、あいまいさは残っていますが……。


デメリットは、やる気がそがれる点でしょうか。

サイドスイング始まりの技は多いので、多くの技のレベルが下がります。

個人的には、S始まりでないほうが跳びづらいと思う技(たとえばトードOとか)がS始まりの技(トードOならTJ)とレベルが並ぶのは面白いと思いますが、単純に数値が低くなるだけでどこか満足感が減るのは、393 レベルのマリオネット で書いたとおり……。

あとは、人情

今はサイドスイングが確実・甘いに関わらずほぼ全部得点になっているとすれば、上のメリットの理屈ですべて切り捨てるのが冷たい印象もあります。

ただ、昔ふっくんが書かれていた話(世界大会ジャッジをしてきました | なわとびパフォーマーふっくんの「Let's Go なわとび!」)を思い返すと、もっと着目すべきは、真面目にやっている人が問答無用で点数を切られることでしょうか。合理化を盾にした基準で被害が大きいのは、真面目な競技者です。人情を持ち出すなら、こういう人たちが報われない状況こそ、案じないといけません……。

当時、アベシさんがすでにSをとらない案について書かれていて(サイドスウィングをどうカウントするか(ルール) | Abe-C(アベシ)のブログ)、問題は他にも存在します。今は、技の1つ=1レベル=得点ととらえられている一方で、定義がきれいに適用されているわけではないことから出てくる話みたいです。


競技に関わりのない自分にはそこまでの話ですが、大切な部分もあります。

きれいに適用されているかどうかは別として、「ルールにそえば見ばえがいい」という点です。いつまでも足をくっつけたままSをぶんぶん振るより、跳び上がりながらのほうが美しい。ここは競技者であろうとなかろうと大切だと思います。

と言いつつ、今回の話を書いて浮かんだのがこのショートマンガ……。

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判定というと、ときどき他のスポーツで機械判定の導入について話題になりますね。次回は、その流れでAIの話です。