今回は「技分析のこと」。
前回からの流れでもう1つ技のお話。
前回のは今でも見かける息が長い複合技ですが、今回の技も近年の大会動画でよく見かけます。実を言うと、前回と今回はセットで思いついて、どちらも名称不明だな …… と思ってました。
ふっくんの技リストにありました……。こういう名称だったんですね。気づかなかったら、「後ろ交差片足ラップ to サイドスイングほどき」がタイトルだったと思います。
当初、参考で載せる予定だった動画はこちらです。
1:03 あたり。自分の記憶だと、ぱっと浮かぶのは黒野寛馬さんのこのシーンです。(この技で合ってるかな……)
というわけで、描いてみました。
1.始まりは後ろ回しのSC(サイドスイング → クロス(交差))。サイドスイングなしの後ろ交差でもできますが、あったほうが2の流れを作りやすいと思います。
2.後ろ交差を片足だけ縄を通します。どちらの足か最初迷いました。「サイドスイングした側の足に通す」と考えるのがよさそうです。(イラストなら右で振って右足)
3.右足の下から回ってきた縄を反対側(左側)に振ります。ここから、[前回しのS(サイドスイング) → C(交差)]と同じ動きになります。個人的にはここが最難関でした……。
4.[前回しのS]です。 右腕はそのまま。3で左に振った縄を前回し(イラストだと時計回り)で回すと、いわゆる側振とびの流れになります。軸足(左足)には右手側の縄がラップ(巻きつき)しているので、実質、左手側半分の縄だけ回すような状況になります。
5.[前回しのC]に入るところ。2で後ろから通した片足(右足)を、今度は前から戻すように通します。交差というより、左から回してきた縄を右足に通すと腕が交差になる ―― といった感じ。
6.右足を縄が通ると交差とびを跳んだときと同じ状態になってフィニッシュ。
難関は3でした。
[片足を通す → ほどくように戻す]のがよくわからなくて、4~6のように、[サイドスイング → 交差]で足の下を抜けていく動きでとらえると、ようやくイメージが落ち着きました。タイトルで「 to S、C」を追加しているのはそのためです。
上の動画2つは、どちらも回転がすこし入るような動きで回しています。そのほうが縄に流れを作りやすいでしょう。一方で、1で書いたように「サイドスイングなしの後ろ交差」に近いやりかたも見られます。
たとえば、ベルギー大会2021 Jelle Van Heesbeke 選手の 0:48 あたり。
回転に合わせた縄がサイドスイングみたいなものですが、あまり跳ばずに回りながらさばいている感じですね。
フリースタイル演技でときどき見かけます。
やっぱり、ルールにそってラップ(巻きつけ)のある動きを1つ組みこもうとしたときに入れやすいんでしょうか。上のベルギー大会だと Pieter-Jan de Backer 選手など再生回数の多い実力者(少なくとも4人)がみんなどこかで使ってました。
そんなふうに目についたのが、一度書いて(描いて)みようと思ったきっかけでもあります。前回もそうですけど、これ系の話は、印象に残った技が語られてるページがどこかにあるといいな、という気持ちの表れですね。