とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

674 交差は前から下へ

■ 引っぱりすぎないようにまず前へ

今回は「交差のこと」。

珍しく公園で子どもが近づいてきました。

「なわとび教えて!」

というわけで、何を跳びたいか聞いてみると、「あやとび!」。ビンゴすぎです。ちょうどこのまえ書いたばかりでした。


学校でも同じことを言われてこの話を書いたんですが、今度の子は、実はもう跳べる子でした。スムーズとは言えないけど、余裕で跳べてる……。ただ、だんだん縄が後ろに引かれて、何回目かで引っかかりました。交差が深すぎるのです。


交差の引っぱりすぎ。

よく見る姿です。僕もやらかすことがあります。小さな子のあやとび・交差とびなら、うまく回せなくて自分を抱くくらいに腕を深く入れてしまう。慣れてきた人でも、はやぶさ・3重あやとかやろうとすると、力を入れすぎて交差を引っぱりすぎてしまう。交差した縄が、足の下を通らない急角度で回って、足に当たってしまうのです。

横から見た軌道に手の動きを合わせてみると、こんな流れが理想ではないかと思います。

イラスト:交差を回す男の子と縄の軌道を横から見た絵。顔の斜め上に向かう縄に「上」の矢印。体の斜め下に向かう縄に「下」の矢印。後方へ向かう縄に「引く」の矢印。余白に、正面から見た絵。ふきだしで、「縄が下がれば左右のブレもよけられる?」 縄が右にそれているけれど、下に回っているおかげで足に当たらずにすんでいる。

引っぱる前に「下」がある

前回しだと、前から後ろに回るところが「引く」なんですが、そのまえに「下」への動きがあるはずなんですよね。交差を引っぱりすぎてしまう人は、この「下」の段階で、もう「引く」に入っていると言えます。

交差に限らず、技の終着点(競技ルールなら技の成立時点)は基本的に足の下、つまり「引く」がゴールです。交差を作れなかったり、速く回そうとしたり、交差のゴールをあせると、「下」を待たずに「引く」動きになります。それで交差の引っぱりすぎが起こるのでしょう。

「下」を忘れないのが大切なのです。


では、どうするのがいいのか?

下に回すって、案外難しいです。グリップを握った状態から手首を動かすのがきつい。かといって、縄を垂直に落とせばいいというものでもない。

そこで、「前」に回すのがいいと思います。

上のイラストでも、「上」~「引く」の流れの中で、「下」の矢印は前向きの成分も持っています。横から見たときに、「上 → 下」の途中が「前方」だからですね。前に回った縄は、やがて下へおりる。その流れが生まれます。ここを意識すると、縄は上から下に半円を描いてくれます。つなぐ点が多いほど、線がなめらかになるのと同じでしょう。

一時期よくテーマにしていたポイントです。……というか、ほとんど同じイラストをそのときも描いてました。

交差してるところまで同じ。自分で描いておいて、見返してようやく気づきました……。一応、今回は今回の持ち味で別のイラストも描いています。


それが右側に描いた左右のブレのこと。

僕は体や右手がねじれやすくて、交差が左右にブレることが多いので感じたことです。クセを持った状態で回すのは「引く」に近い。それならせめて、「前」を意識すれば「下」が広がって、左右のブレをカバーできないか ―― という話。「真正面」を意識すればなお良いでしょう。

以前書いたことですけど、交差の腕の位置は非対称で、上手な人でも動画を見れば左右のブレがあります。でも引っかかるほどではない。回しかたにポイントを求めるなら、こういう考えかたもありかな、と思いました。