■ 前と後ろでフォームが違う
今回は「かえしとびのこと」。
後ろのほうが「かえし」やすいのかもしれない……。
このまえ、学校のクラブで後ろかえしとびを教えました。10年くらい続けて、できた子がいたかどうかすらあやしい技です。ただ、今回は縄がそれっぽい動きになる子がいて、後ろかえしとびも、ポイントによっては回しやすいんだな、と実感しました。
1.縄を跳ねさせるように引っぱりあげて回す
2.そのときの前後交差のフォーム
この2つの条件で考えた話です。
1.縄を跳ねさせるように引っぱりあげて回す、について。
かえしとびは、「まずは頭の後ろをぐるっと回す」のが基本と聞いてきました。頭上に引っぱりあげるように回すのはその次の段階ですが、後ろかえしとびの場合、案外ここを重視したほうが伝わりやすい感じでした。
そのフォームは、この話で出したLの字がわかりやすいと思います。
前後交差ではなく、横・後ろ交差とでもいったフォームですね。これで体の横から反対側へ、ひょいっと頭を越えるように縄を回します。いったんLの字フォームで縄を跳ねさせるように揺らして反動をつけると引っぱりあげやすいと思います。
これ、後ろかえしとびだと伝えやすいんですが、前回しだと難しいんですよね……。
その違いは、フォームにあります。
前回しは前後交差から「かえす」のに対して、後ろ回しはかえしてから前後交差になります。かえす動きをするときのフォームが違うのです。
・前回し:前後交差からかえす → 動かしづらい。
・後ろ回し:Lの字からかえす → 動かしやすい。
この違いじゃないかなと。
前回し(前後交差)が動かしづらいのは、手の位置が体の横で別々の位置にあるからでしょうか。後ろ回し(Lの字)だと両手が体の横でも同じ側にあって、横に回すイメージもつけやすいので動かしやすいと思います。
じゃあ、前回しだってLの字で ―― と試せば作れるものの、後ろ側に手を伸ばすLの字なので、やっぱり動かしづらいのです。
かえしとびの教えかたにはギャップがあります。
「まずは頭の後ろをぐるっと回す」という最初のステップから、本来のすくいあげるような回しかたにうまくつながらないのが前々から悩みどころでした。子どもたちも、「かえしとびができる人とやってることが違う」と戸惑う様子がよく見られます。
前のかえしとびだと、縄を振りあげるよりは体の後ろで回す動きが強いですが、慣れると縄の高さがつきます。後ろかえしとびにいたっては、頭上を回さないとむしろ難しいくらいです。
そういう意味では、後ろかえしとびを教えるときは、早い段階で縄を振りあげる動きに進むのもありかなあ、と思ったクラブの一場面でした。