とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

746 ウサギでもカメでもなく

■ 競わず、気負わず

今回は「競争のこと」。

あけましておめでとうございます。

ブログを始めて10年がたちました。本当にそんなに書いてきたのかな……。なわとびも、そんなに長く跳んでる気がしません。

年齢を重ねると1年の比率(1/年齢)が小さくなるので、そのぶん短く感じるそうです。ただ、僕の場合、人生のおよそ4分の1。希薄な時間は10倍しても希薄なんでしょうか?

むしろ、毎日の新聞のようにありふれた、自分にとっての日常に近いものなのかもしれません。ゆるやかに回る縄のイメージが浮かびます。


逆に、速い縄というと、競争のイメージですね。

大会のスピード競技だったり、体育の時間に運動場で連続2重とびしてる様子だったり……。10年なわとびしてきて、ほとんどそういう場面に足を向けなかったのが、長続きしている理由だと思います。

年齢や運動経験を考えると、なわとびで競うのが難しかったのもありますが、競うこと自体が苦手なのが大きいでしょう。もっと言えば、競争で心をすり減らすのが苦手なのです。

学校で子どもに勝負を持ちかけられれば当然乗ります。競争というより、勝負という名の遊びだからです。勝負がついても、その技を続けるコツを教える流れになったり、他の子も挑戦したくなる空気ができたり、心がすり減るどころか温かくふくらむのが大半。

これがクラスマッチにゲストで呼ばれると、どこか空気が違う。イベントとして盛りあがってるのはわかるんですが、回数に追われた空気もまたあって、自分の求めている楽しさと溶けあわない感じがするのです。クラスマッチレベルでこれなので、なわとびの世界に視線を伸ばしてもなかなか気持ちがつながらず……。


 ―― なわとびって競争だけじゃないでしょ?

そうは思うものの、なわとびを盛りあげようという空気の高まりが、競争を感じさせるんですよね。

これは、僕が、いろんな物事を差し引きで考えやすいからでしょう。たとえば、大会で使う施設や、支援してくれるスポンサーを、なわとび業界が手に入れれば、他のスポーツや団体が手に入れられないかもしれない。逆もしかりで、そこに競争が見えてくるわけです。

寄付やクラウドファンディングでも、選ぼうとすると、同じような光景が浮かぶことがあります。世の中が、どんな業界にも分けあえるだけの資産にあふれているなら話は別です。そうでないから、一歩抜き出ようと普及に力を入れている側面もあるわけですよね。


2か月前に書いたこの話に似ています。単純に、熱意のある人についていけるかどうかの話でもあるでしょう。人との競争でないにしても、自分との持久走みたいなものです。誰かの作ったなわとびの輪に入ろうとするとき、そこには必ず相手がいる。相手がいる場所で、ついていける自分とついていけない自分がせめぎあう。自分の中で競争が求められるのです。

ついていくのは難しいなあと思って僕が勝手に離れているだけで、いろんな場所でがんばっている人、マイペースに進めている人、それぞれの力でグリップを握って跳んでいればそれが幸せだとは思いますが。


年始めといえば新年の目標ですね。

競わない自分には、目標も生まれづらいです。自分にとって、なわとびが軽いものとも言えます。ただ、縄は、力が伝わる程度に回さないと続けられません。回しかたがあやふやだったころに比べて、今の僕の縄には、感じられる重みができました。

そうやってブログを回してきたのがこの10年でした。なかなか強い気持ちには踏みこまないけれど、かといって退場もしないペースで続いているなわとび。

こんななわとびもあるよ、とこれからも書いていきたいと思います。

イラスト:右半分に「縄」と筆で書かれた凧(たこ)のアップ。見おろす構図で、着物姿の女の子が、なわとびとつなげて頭上リリースしながらあげている。後ろで着物姿の男の子が見あげている。横で「跳(とび)」と書かれた凧を持って跳びはねる小さな女の子。右下に、2024の数字ととびまるマーク。

カイトリリース!

正月更新のイラストは3年ともリリースネタになっちゃいました。

閏年(うるうどし)が来たので、正月更新は今年までです。(5日ペースの更新だと 366日の年で1日ずれる) 次の正月更新は20年くらい先……。さすがに続いているか読みきれません。まずは、今年もよろしくお願いします。