とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

771 ひざを落として縄を上げる

■ 着地は縄を頭の上に回すタイミング

今回は「協応のこと」。

なわとびの動作で使われる言葉です。

ジャンプで上にあがりながら、縄は下へさげる。上と下、違う方向の動作を統合して、1つのまとまった運動にすることを言います。

子どもだと、お手本を見ながら書くとか、はずむボールを取るような、目と手(体)の協応が大切と言われることもあるみたいですね。それほど、動きを合わせるのは生活のいろいろな場面で重要になるのでしょう。

なわとびもこのバランスが合わないと、ジャンプもスイングも中途半端になってしまいます。跳びながら縄を下げるのはその基本でもありますが、今まで気づかなかった協応がもう1つありました。


着地しながら縄を上げる。

イラスト:左に「これが協応なら」のふきだしの下に跳ぶときの様子。体は上がる。縄は下がる。 右に「これも協応?」のふきだしの下に着地の様子。体は下がる。縄は上がる。右下に「「上がる」を先に意識するといい…と思う」のコメント。

上がると下がるが現れる状態

跳ぶときの協応があるなら、逆パターンがあってもいいわけです。跳ぶのが縄を足の下を通すタイミングなら、着地は次の回旋に向けて縄を頭の上に回すタイミング。こういう理解の仕方をしていませんでした。

実は、この状態を解説した話をずっと前に見ていました。

www.youtube.com

 

489 2重とびの前にひざを曲げる で紹介した動画です。サイドスイングも1回旋と考えたとき、体の横で地面を打つのが跳ぶタイミングなら、頭の上を回るときはひざを落として次のジャンプに構えるタイミング ―― ここ、「着地後」とも言えますよね。

当時は跳びあがるための予備動作として、なるほどと思ってました。体と縄がそれぞれ、どの状態でどういう動きをすればいいのかがわかりやすくて、「動きを切りとる」ってこういうことか、とうなずけたのです。

ただ、それが協応でもあるとは思ってなかったんですよね……。


実際やってみると難しいのがわかります。

体が下がるのに、縄を上げるために手も上に向けないといけません。理屈ではわかっていても、ひざを落とす動きのウェイトが大きくて、縄の先まで意識が行き届かない。

 ―― だから縄を上に回せないのか。

これも実感しました。上に回せないデメリットはこれまで何度も書きました。縄が張らないとか、前に回らずに引きぎみになるとか、上下に振れない未熟さが見えてしまうのです。回せないメカニズムには、着地や跳ぶ構えで体が下に沈むことに協応できていない一面もあったのですね。


こういうときは動きの分割です。

どんな動作も、完全に同時ではありません。わずかに時間差をもって、複数の動作へとつながります。今回のように縄を上にあげるのが難しいなら、まずは手やグリップを上に動かすのを優先してしまえばいいのです。

あまり難しく考えることはありません。上に回すことを意識していれば、縄は大きめに回って動かしやすくなりますし、何より、感じやすくなります。とらえてコントロールできるということです。逆に、感じられないときは縄の感覚を見失いがちで、ジャンプするタイミングをつかみづらい。その空白がなくなって、タイミングも合わせやすくなりました。

これを協応できたと言えるのかはわかりません。着地の重力で自然と体が沈むのだとすれば、自然でない上への力を優先するのもありかな、と思いました。