■ 協応を軽やかに踏むのがステップ
今回も「協応のこと」。
流れでもう1つこのテーマで書きます。
ステップ系の動きを知りたくて、たまに動画を見ます。たまに、と言うのは、1つ覚えるのに時間がかかるから。のんびりやってるせいもありますが、なかなか足を動かせないことも多くて進まないのです。さびしい。
ステップは両足が別の動きをする技も多くて、やってるうちに「右足と左足」の協応ができないと難しいのだとわかってきました。
スキップがかけ足と違うのもそうです。交互に足を上下させるかけ足も協応と言えば協応ですけど、スキップは1回あたりのテンポが半分になって、片足(ひざやもも)は空中に上げたまま、もう片方の足で跳ねます。足踏みが基準になっている体で、このズレを合わせるところに協応があると思います。
ただ、もうすこし細かいところに「踏みこんで」みると、ステップには足の中での協応もあるように見えました。
「つま先とかかと」の協応です。
脚全体で見ると、開いたり閉じたり、交差、伸ばす、曲げる …… いろんな組み合わせで動かしてステップを刻んでいます。それはまさに、ももからすねにかけた「脚」だけを見た動きで、地面に着いた「足」はまた別に浮いたりひねったりしてるんですよね。
ここが左右対称なら、そんなに苦労はしないのです。実際は左右の足にも変化があるから見ばえが生まれます。その変化を作っているのが、足の先と根もと ―― つま先とかかとです。
「ドラムンベース」というステップがあって、
字面(じづら)だけだと動きの想像がつかなくて見てみたら、なんか「足」が踊ってる。気持ちのいい流れで床面で波打っていて、やってみたいな …… と思ったら油の足りないブリキ細工みたいな動きしかできませんでした。しかも続かない。
つま先とかかとが乱れるのです。どこかで左右そろっていっしょに浮かせてしまう。このステップ、見てのとおり交互につま先とかかとを浮かせていて、そこが崩れるとリズムが続かない動きなんですね。
続かないのはなぜか? どちらかの足につられるから。つまり ―― 協応できていない、というわけです。動画では動きを分割して教えていますが、それを合わせる段階でそれとなく難しさを含んだ言い回しをしていますね。まさにそこです。
同じ足とはいえ、別の部位は別の部位です。
指だって、指折り数えるのを1本ずらすと混乱します。やっぱりここにも違う動きを合わせる協応がある。しかもこれが「基本」ステップだと言うから、苦手な人には壁が高いですね。
ただ、これはダンスの中の動きです。
そこにヒントがあるように思えました。動画の中でも似た解説がありますが、肩を跳ねさせる感じで体全体で「浮くリズム」をとると、自然とつま先やかかとも浮くので、タイミングをに合わせやすと思えました。
なわとびをプラスしても、そこは同じ。むしろ、「浮く要素 = 跳ぶタイミング」と考えれば、いつ地面から離れればいいのか気づけます。僕がやるとむりやり縄を通しているようでドタバタ劇ですが、それでも協応が苦手な人でも跳べることは跳べる。少なくとも、つま先とかかとの協応には、「体を浮かせてみる」という解決策があるのだとわかります。
これって、苦しさのある人には救いです。軽やかさには届かなくても、近づけるだけでも価値はあるんじゃないでしょうか。