とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

630 反作用バインド

今回は「協応のこと」。

回そうとすると足が離れない。

回す・跳ぶの関係で、見えないけれど重要な影響だと思います。体のどこかを動かそうとすれば、その動きを別のどこかで支えないといけません。なわとびだと、回そうとする手の動きを、足で支えることが多いです。地面についている足くらいしか、支える相手がいないからですね。

ダブルダッチターナー(回す人)みたいに、回すことに集中できるポジションなら、手と足が「回す・支える」の関係にきれいに収まります。(ターナーも動かないわけではありませんが)


ここが、なわとびではタイミングを狂わせる原因になります。

ジャンプするときには、足と地面に意識を集中すればいいように思えます。ところが、手に力が行くと、同じだけの力を足で支えることになる。そのぶん、足が地面から離れなくなるわけです。

支えた地面からの反力をジャンプに連動させる、というテクニックも考えられますが、「タイミングがずれる」状態にハマっている人には、ちょっと難しい技術でしょう。それで解決できるなら、はっきり言って上手です。

下へ回す力と、上へ跳ぶ力のバランスに飲まれる。

これって、まさに「協応」できない瞬間ですね。複数の動作を合わせられない状態。ただ、あまりに合わせすぎた状態ではないか? とも言えます。物理で言う、作用・反作用の法則のように、1つの力が働けば(作用)、同じだけの力が押し戻すように働きます(反作用)。わざわざこの状態に持ちこむから、真っ向から協応に対処しなければいけなくなって苦しいのでは?


なら、すこしタイミングをずらせば解決にならないでしょうか。

サイドスイングが入る技だと、左のイメージです。横に振る力が入るから、その力を足で支えることになる。縄が回ってくれば、足で地面を押さえているのでジャンプに制限がかかってしまう……。

跳べないメカニズムの1つに、こういう状況があるのかなあと思います。

手が先か、足が先か、というテーマは一時期考えたことがあって、ケースバイケースみたいなあいまいな納得で終わりました。手と足の分離。今回の場合、跳ぶのを早めて、回す力の影響から逃げるイメージで描きました。(ただし、回す力を空中で支える必要はあるでしょう)

実際、回すのを意識しすぎると足が残って、跳びあがりきらないうちに縄が当たるミスはあります。後ろTSOの例を書いた 582 背面より早く、縄より早く はまさにその話でした。


もう1つ思いだすのは、サイドスイングについておかもんさんが解説している動画です。


4:00 あたりからの「縄が上がったところでひざを曲げてジャンプに入る」を、協応の力関係で見てみると、縄を上げるときの足の支え = ひざを曲げる動作です。そのままジャンプにつなげると、手がサイドスイングに移ったときの力を、ジャンプの踏みきる力で相殺しつつ跳ぶ流れになるのでわかりやすい。これがサイドスイングと同時に足で支える形(イラストの左)になってしまうと、ジャンプがつぶれがちです。


今回の話は、電車で立っていて気づきました。

電車の話は 492 電車に立ってなわとびを思う や 519 電車とかかとと4重8連 でも書きました。最近では、立ちながら軽く上に伸びるとバランスを保ちやすいです。支えが、自然に足にくるからですね。なわとびだと、この支えが逆に縛りになるのかな …… というのが発想のもとでした。

手と足は、意識とか力みの問題として書いてきましたが、自然に発生する力の関係でも読み解けるものですね。物理学として間違ってる記述はあるかもしれません。そこは、フィーリングで……。