とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

690 連続2重とび・地面の安定

■ 着地する体勢が大切な理由

今回は「着地のこと」。

着地で体勢が崩れるから跳びづらいんだよ」

今年、続けて2重とびを跳ぶのが苦手な子に、こう説明したら、妙に納得してもらえたのを覚えています。目から鱗(うろこ)、と言ったらおおげさですが、見てわかるくらいに表情が変わっていました。跳びづらさって、実感はできるけど具体的な状況を理解しづらいのでしょうね。

そんな「着地と体勢」、最初の言葉のように、体勢が崩れるから次の1回をうまく跳べません。でも、不格好でも跳べる子はいる。この違いにもふれながら見てみましょう。


まず跳べないパターン。大きく2つあると思います。

1つは、[体勢が崩れる → ジャンプが小さくなる → 2回回しきれない]

子どもに伝えたのもこのパターンですね。2重とびの1回目は、体勢を保てているので普通にジャンプできます。2回目も、同じジャンプができるなら跳べるでしょう。でも、着地が崩れているから同じジャンプができないのです。(その子はそこに気づいてハッとした)

もう1つは、[体勢が崩れる → 体勢を戻す前に縄が回ってきてしまう → 2回目が最初から引っかかる]

こちらはジャンプより回す技術の問題で、縄の速さのコントロールができていないところに原因があります。

慣れてくると、回し終わりから次の1回を回すまで、縄のスピードをゆるめるようになります。「間(ま)を作る」とも言います。次のジャンプに向けて準備を整えることができます。

これができていないと、すぐに縄が回ってきてしまいます。体勢が崩れなくても、これで2回目を跳べない子はよく見かけます。回す勢いが強すぎて、次のジャンプが間に合わないんですね。

イラスト:「着地で崩れると…」の書き文字の下で、すこし後ろによろめいている男の子。そこから矢印が2つ伸びて、一方では「次のジャンプが低くなる」(回ってくる縄を見て、まにあわない!と言う男の子。) もう一方は「縄が回ってきてしまう」(体勢を戻したばかりで、まだとんでない!と言う男の子。) 絵の上部両角に重くよどんだような効果線。

着地の衝撃に構えるのがポイントかな?

逆に、体勢が崩れても跳べるパターン。

これは、上で書いた「間」を作れる人です。

着地で体勢が崩れても、回ってくる縄の速さを体勢を戻すまで調整して、もう1回2重とびを成功させてしまうのです。こういう子は、ジャンプが小さくなっても跳べてしまうことが多いです。小さなジャンプでも、どれくらい縄を回せば2回足の下を通るか「読める」。縄を回す感覚がわかっている証でしょう。

これだけの感覚があると、着地を意識する余裕も出てくると思います。なわとびを単純に上下運動と考えたとき、そこからのズレはバランスの崩壊です。ただ、それだとぐらつきを抑えているだけで、2重とびを続ける余裕にまではつながりません。


重要なのは跳ぶ余裕・回す余裕なのです。

なぜ着地が崩れるかと言えば、ぎりぎりで跳んでいるからです。これは、回すのもぎりぎり、と言えます。(上手な人が最小限で跳ぶのとは別です)

ジャンプだと、やっぱり体を上へ伸ばしたほうが跳べて、わずかでも滞空時間が違ってきます。着地ぎりぎりで縄が通るより、そのちょっと前にでも縄が通ってくれれば、着地に気を回す余裕ができる。

着地に気をつかってバランスをとれれば、次の1回につながって、連続への道も開けることでしょう。着地から改善される跳びかたもあると思います。


次回は4月1日。

似たテーマで回しかたの「うそ」にふれてみます。