■ ジャンプをつぶさない着地とは
今回は「足の動きのこと」。
「右足を空中に上げ、それが落ちる前に左足を上げる
うんと早くくり返せば空を歩ける」ほんとかなあ……
なわとび以外に、ときどきランニングをしています。そのせいか、動画のおすすめに走り方系のものが出てきて、元陸上選手の為末大さんの解説動画を知りました。
蹴らない走り方 - 為末大学 Tamesue Academy
どちらかというと短距離の足の運び方について話されているようですが、実際走ってみると感覚が違いました。足にかかる負担が違うのです。踏みこんだ足に体重をかけているからですね。ランニングなら走っているあいだこれが続くわけで、疲れが蓄積していきます。
上の解説は、片足が着地したらすぐに次の前方移動に移るというイメージが大きいです。単にスピードを上げるのと違って、体重の負荷が少なく、すいすい走れました。ただ、ペースが上がるぶん、別の意味で疲れますし、踏みこみが浅いぶん、体のバランスをとる必要があります。
なわとびでも通じるものがありますね。
ジャンプからの着地で、体を沈みこませるかどうか。
体や足にかかる負担を考えると、迷いどころです。体を沈みこませるのは、「間をとる」とか、前回参考にした「縄を待つ」動作でもあります。一方で、体が沈みこめば、足に負荷がかかる。そういう負担を軽くするにはどうしたらいいでしょう?
たとえば、為末さんの動画に限らず、足が受ける「反発力」という言葉をよく見ます。そこで、反発力をいかせているかどうかの問題として考えると――。
連続で3重とびを跳ぶと違いを感じます。1回目はジャンプが軽く、2回目からは重い。この違いは、跳ぶ直前にどんなジャンプから着地したかで変わります。1回目は予備跳躍から入っているので踏みこみが軽く、2回目以降は3重とびの着地から次の3重とびのジャンプに移るので重い。3重とびの着地の重さで踏みこみが左右されるのです。
2回目からのジャンプが重いのは、僕の3重とびに余裕が少ない証拠です。それなりに手に力を入れないと3回回せないので、足に意識が行っていないとも言える。これは、子どもなら、2重とびやはやぶさ、もっと小さい子なら、普通の前とび・後ろとびでも同じでしょう。
これを、着地してすぐジャンプできるように足に意識を向けると、たしかに跳び方が違ってきます。短く地面をける感覚ですね。いいのか悪いのかは自信がありませんが、沈むこみがちなときに、ももやひざに残る重み(これがだんだんジャンプを弱めていく……)がやわらいだように思えました。
あまりやらないスピード系でも違いを感じました。
30秒スピードの動画を見ていると、ズダダダダ……と足音がすごい。そこだけ聞いてマネすると、ただ地面に足を打ちつけるだけです。これを、片足の着地と同時にもう片足を上げるくらいにすると、軽くて速い。
軽いといっても、やはり短く地面をける感じで、瞬間の力はそれなりに大きいと思います。なので、短く足音が鳴り続ける風景になる …… のでしょうか。(スピード系の話は聞いたことがないので、想像です)
短くはねるのを意識するのは、着地を変えるということでもあります。そこに合わせて、回し方が変わってくることもあるでしょう。走り方から、おもしろい視点をもらえました。