とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

539 半円のありか

今回は「回し方のこと」。

手が「上半分」をきちんと回せていないとダメなんじゃないか……。

上半分とは、縄を回すときに手が作っている「回転円の上半分」のことです。ここを回せると、前回しなら後ろから前への軌道で勢いがついて、メインになる足の下へ回すときの勢いにもつながります。


着目したきっかけは、前回のイラスト。

遠心力の話で、ずっと遠心力がかかりながら縄が回転しているイラストを描きました。説明系のイラストを描くと、よく、それを見ながら動きを想像するのですが、後ろから前への軌道あたりを目で追っているときに、「自分は本当にここで縄が張っているのかな?」と疑問に思いました。

「自分が回せていないのはどのあたりか?」なんて書いたせいもあったでしょう。それに加えて、最近、2重とびを跳べない子や、いただいたコメントで、「手が止まってしまう子」のことを考えていました。

いやな予感がして、イメージに合わせて手を動かしてみると、手の回転の下半分はそこそこ力が入っているのに、上半分はその勢いで短く速く動いているだけで、意識して回せていない……。

そういえば、1年前くらいは、「後ろから前」に気づいていろいろ書いていた時期。それから夏になって初めて4重とびが跳べたころ、縄を振りあげる勢いがうまく回せたポイントの1つだったことを思いだしました。振りあげるだけでなく、とにかく勢いを落とさないように、多少動きが大きくなろうとも、360度グリップを振り回すのを心がけるようにもなりました。

あのときは、上半分もきちんと回せていましたし、だからこそ4重とびの回転にも届きました。


イラストだとこう。

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真上まで向けるのはちょっと極端ですが、特に最初の勢いをつけるとき、上で縄が張って、下まで回しやすくなります。

2重とびに限らず、手が止まってしまう子は、上から下に振っておしまいというパターンが多いように見えます。とりあえず前回しを速く練習、でも同じ。次に回ってくる縄は、どちらかというと最初に回した勢いの残りを使った惰性(だせい)で、この時点でもう、縄をコントロールできていないと言えます。

4重とびのように、縄を張らせて勢いをつけるということは、縄を(速さを)コントロールするということでもあるのです。そのために、縄が張るタイミングに合った位置で、手もきちんと動いていないといけないのかな …… と。


これって、重力の影響もあるんでしょうか。

重力が上から下への力なら、振りおろすのは重力にそった動きです。でも、今回書いたような振りあげる部分は、本来重力に逆らった運動。意識しないと重力で勢いが弱まるなら、振りあげるタイミングでもきちんと手を回すことで、縄を弱まらせずに勢いを維持できるということかもしれません。

ここまでの話、回転の上半分というより後ろ半分に聞こえますが、振りおろして勢いをつけるところまで考えると、個人的には上半分だな、という話でした。