今回は「回し方のこと」。
ひさしぶりに4重とびが跳べた……。
思いきり着地するときのケガが怖くなったせいか、この夏あたりから、全力で跳ぶのをセーブしながら練習しています(569 110%、魅力と魔力)。体への衝撃は減ったものの、それまで思いきり跳んでいた4重とびはほとんど成功しなくなっていました。
となると、その穴をうめられるのは回し方。
とはいえ、この数年で、やっと大きなジャンプで4回回せるレベルにしかならなかった回し方が、劇的にスピードアップするなんてそうそうありません。僕にとって、縄をとらえるのはそれだけ難しい技術でした。それでも、いろいろ試した中で、足で地面を支えながら回すと、感覚をつかみやすくなりました。
縄に勢いをつけるとき、ブレそうな体を支えられるからです。
ジャンプリリースが特にそうなのですが、足と地面を「支点」にできるかできないかで、回しやすさは大きく変わります。回すときに余計に体が動いてしまったぶんは、基本的にロスでしかありません。足が地面についていると、そのブレを支えて、ロスを減らせるわけです。
何か新発見のように書いてますが、要するに「跳ばずに回してみる」なんて、今までもやってきたことです。やったことのない人を探すほうが難しいくらいでしょう。でも、「いったん支える」練習だと考えてみると、だいぶ違ってきます。
576 一瞬のテイクオフ の最後で、2重とびもなく、予備跳躍からいきなり5重とびを跳んだ人を見たときの印象を書きました。この動画です。
今年の目標にしてた5重跳び。
— しゅんかん (@iliastelsyunkan) 2019年9月20日
ついに 成功しました。
やっぱり外と室内は全く違います。音 有りで見るとまた面白いです。#縄跳び#単縄#5重跳び pic.twitter.com/M9Slz9bzsN
実は、そのマネをしているうちに、いったん支える感覚に気づきました。いきなり4重とびって、縄もジャンプもうまく合わせられません。なので、まずは回すのを先決にしようと跳ぶのを止めてみたら、地面を踏みしめて支える感触が伝わってきて、ここからか? と気づいたのでした。
もちろん、支えるだけで最高の回し方が生まれるわけではありません。
どこで、どうやって勢いをつけるか、練習してきた技術が、ここで生きてきます。後ろから前の勢いを落とさないことを考えると、頭上の勢いがポイントに思えました。
足で地面を支えながら回すというのは、要するに、跳ばずに回す状態です。この状態だと、縄を回せるのは自分の前後180度。地面から上の半円部分です。前回しなら、後ろから前へ、最後に勢いよく足の下へ ―― で縄が止まります。
この、後ろから前の軌道で、加速するポイントになるのが、頭の上だと思います。縄をピンと張ることが勢いがつく状態なら、理想はピンと張った縄がきれいに自分を中心に円を描くこと。当然、頭の上でも縄が張っていてほしいです。
きっちり振りあげる。そのために腕からグリップを強く回す。後ろから引っぱって前へ放るような、そんな軌道を勢いとともにめざしました。
これを、跳ばずに足で支えながら繰り返しました。最後は「空中で」それをやる想定なので、足が浮いても回せそうな支えかたは何かと考えを進めていくうちに、4重とびを初めて跳べたころのような、上半身の支えにもう一度つながっていきました。
今の使用ロープは韓国ロープです。
初めて4重とびを跳べたときのアメリカロープよりは軽い縄ですが、インドやアメリカロープが「太く、強く」なら、韓国ロープは「細く、鋭く」のような勢いで4重とびに挑めているように思えます。
この感覚、サイドスイングやいろんな技の途中で、支えがなくても応用できるように試しています。「待ってためて放つ」が近い気がします。