■ 直前の縄もきちんと回そう
今回は「回し方のこと」。
前回書いた話は、いろんな技で同じことが言えると思います。
縄を振りあげるために手もと(特に上まで)をきちんと回すと、勢いもつきますし、縄が張って形が崩れにくくなります。
最近似たことを書いた気がすると思ったら、533 SEBをすくいあげる が近い話でした。EBに入る前のサイドスイングをきちんと回せていなかったのではないかという話で、この動きがすくいあげる = 振りあげる動きのことでした。
手が止まっていては上まで振りあげられません。EBでは、手もとをちゃんと回すのが縄の輪を作るポイントだと思った話も以前書いていますが、「上まで回せるように」「手もとをちゃんと回す」 ―― と、すこしずつですが回すポイントに気づいていたんですね。
前回の話は、そういう積み重ねがあってこそだったのかもしれません。
こうしてみると、「1回転半」が重要に見えてきます。
つまり、勢いをつけるまでの「半回転」と、そこから技を回す「1回転」。
2重とびだとわかりやすいでしょうか? 足の前で力を入れるポイントを思い返すと、前回書いた上半分をきちんと回して勢いをつけるまでが半回転。勢いがついたあと足の前で力を入れて回して1回転。
2重とびなら2回転に思えますが、技の成立という視点では、足の前で力を入れて縄が通ったところで1回旋、そこから1回転でまた足の下を通って2回旋目がカウントされるので、ほぼ1回転で2回旋 ―― という見かたです。
そんなわけで、「準備の半回転」と「本番の1回転」のイメージがあります。
サイドスイングもそうで、予備回旋的な動きに見えて、ここで縄の形を作れないと、メインとなる技がきれいに回りません。そのためには、上へきちんと回して縄を張らせるのが大切でしょう。上手な人だと、その縄をとらえるタイミングがとても短いように見えます。
ここまで読んで、ある数字が思い浮かんだ人もいるでしょうか。
540 です。今回の連載番号。
360 見えない縄を回す で 360度にちなんで円の話を書きました(メインはやっぱり「後ろから前」の話でした)。あのころ、回転系なら次は 540 で何を書こうかな …… と思っていましたが、2年半ですっかり忘れていて、今回のタイトルで「540」を打ったときに初めて思いだしました。
前回の話を利用して、540度は1回転半 …… と、ちょっとこじつけた感じもある話になりました。それでも、上半分もしっかり回せれば、縄を止めずに回しきれます。
ここ1か月くらい跳んでなかった後ろSCLOも、CLに入るまでの半回転、そして、CLの姿勢からOまでの1回転で上に伸びる縄を意識したら、けっこうきれいに回ってくれました。
基本的なように見えて、縄のコントロールにつながる重要な部分なのだと思います。