とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

553 伸ばすか? 曲げるか?

今回は「フォームのこと」。

ふだんは「足」と書いてますが、今回は、ももから下の意味で「脚」を使います。

腕と脚が同時に伸びてしまう跳びかた。

TJやSOASを覚えたころ、こんな跳びかたをしてしまう人は多いのではないでしょうか。脚の下に腕は入るけれど、回しづらいし、体の負担も大きい。考えていくと、いろいろと原因がありそうだなあ …… という話です。


回しづらいのは、スペースがないからだと思います。

腕と脚が同時に伸びると、脚のすぐ下に腕があることが多いです。脚全体は伸びても、ももが上がっていないからでしょう。上半身に近いももの下に手が入らないので、腕を伸ばしてねじこむしかないわけです。言ってみれば、上げたはずの脚が、実は腕を上から押さえつけるくらい下がっている状態です。

こうなると、脚と腕が近すぎて、腕を動かすスペースが足りません。手はグリップを持っていますから、グリップがちょっと上を向いてしまえば脚に当たる危険があるのです。

そもそも、腕が伸びていると、それだけで回しづらい状態です。縄を回すには、ひじから先を動かして「しなり」をつけるのも大切だと思います。TJやSOASに挑戦する人なら、ある程度そういう技術も身につきはじめているはず。でも、腕が伸びれば、ひじが伸びるのと同じことで、細かな回し方につなげられません。

体全体で見れば、腕も脚も筋が伸びて満足に動かせません。それを支えるために体を固めてしまって、体全体の可動域が制限されてしまう状態です。体の内側でも、動かせるスペースがないと言えるでしょう。


……と考えてみると、大切なのは、腕も脚も適度に曲げることではないでしょうか。

特に脚。よほど体がやわらかい人ならともかく、そうではない人が必死で脚を伸ばすと、空中で体を折りたたむ(=手を脚の下に入れる)のがたいへんになります。

ここで、多回旋のASだと、ももを体に引きつけると手を入れやすいのではないかと書きました。体の動かしかたの感覚で言うと、腹筋や股関節あたりを動かして、ひざやももを上げる感覚です。その結果、ももが体に引きつけられます。

今回の脚が伸びるパターンだと、たぶん、足(この場合、足首から先の意味の「足」)を上げようとするから、力が足先まで一直線に伸びてしまうのではないかと……。少なくとも、僕がASで脚が伸びてしまう時期はそういう感覚でした。

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ジャンプや走り方などのトレーニング動画をいくつも見ていると、どうも、脚の「後ろ側」を使えているか、「前側」を使ってしまっているかの違い、みたいな話をちらほら目にします。このへんは次回で……。


ちなみに、今回の話は、腕と脚が「同時に」の部分がきっかけでした。

脚を伸ばしたら、思わず(反射的に)腕も伸びてしまうのかなあと思ったのです。多回旋のASだと、特に最初は起こりやすいような……。

これもまた、「跳ぶと回す」のように協応の問題なのかもしれません。別々の動きを同時に行う難しさ。脚の引きつけかたを体得したところで、その空間へ自由に手を入れられる。これを同時にできるようになると、理想的なのでしょうね。