とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

682 縦に回す? 横に回す?

■ 足の下を意識しすぎると起こること

今回は「回しかたのこと」。

縦じゃなくて横に回ってる気がする……。

苦しい姿勢で回しているときの話です。「横」というのは正しくなくて、実際は「前後」。特に、連続して跳ぶとき、だんだんジャンプが低くなると、そんな回しかたにならないでしょうか。

おそらく、前かがみで余裕のない状態になると、なんとか技だけでも成功させたくて、足の下を通すことに意識が行くからでしょう。縄は自分のまわりを360度回っていますが、足の下は360度のうち、前から後ろへの軌道です。

ここの意識が強くなると、うまく跳べなくなる …… という話です。


つぶれた跳びかた、とでも言えばいいでしょうか。

イラスト:横(前後)に強い回しかたと縦(上下)に強い回しかたの絵。「横」は前後に長い軌道で回していて、上下の余裕がない。「足の下で回そうと下へ力むので体を上げにくい」の書き文字のように、肩から下へ矢印。上へ向く矢印は点線で弱め。「縦」は上下に長い軌道で回していて、肩から上に体を持ちあげる矢印もある。地面から跳ねるように書き文字で「縄に合わせてジャンプも高く!」

「横」もいくらか安定性はあるかもしれませんが……

おおげさに描くとこんな感じ。

とりあえず縄を足の下で通そうとすると、どうしても前後方向に特化した力になりやすいです。これに慣れてしまうと、足の下は通るものの、横から見た縄の軌道は上下がつぶれた楕円(だえん)に近くなります。

イラストにもあるように、これだとジャンプが伸びず、縄も脚に当たりやすくなると思います。

ジャンプが伸びないのは、肩が上がらないから。前後への回しかた、しかも足の「下」への意識が強いので、水平方向どころか下向きに力が入って、体を上に伸ばすのが難しいのです。

水平方向(前後)が強くて垂直(上下)の動きに弱いのは縄も同じで、軌道が縦につぶれているぶん、上下に「余白」がありません。縄が高くなれば足に当たるし、低くなれば頭に当たる。このへんがネックになる回しかただと思います。


似ているのが、腕を伸ばして縄を張ろうとするフォーム。

子どもの2重とびでたまに見ます。縄がたるんで回しづらくなるのを避けるためでしょう(僕も子どものころやりました)。あれも、上下の張りはあるものの、実際は縄が高くなるので、足の下へ回す意識が強くなります。それで、ジャンプ(上下の力)が足りなく見えることは多い。

5重とびとか6重とびを成功してる人もフォームは似ています。そういう人は、軌道がつぶれているというより、つぶれつつ上下にもしっかりと縄が伸びています。字だと、菱形(ひしがた)が近いですね。

 ◇ これです。表示されてるかな?

こんなふうに上下の幅をしっかり取れるのは、先にしっかりジャンプして、「縦」の勢いを確保できているからでしょう。軌道もジャンプもつぶさない回しかただと思います。


3重あやとかSCCC系の連続をやってると、よくわかります。

というか、これが冒頭の「横に回ってる気がする」の発端。8種類を余裕でこなせるわけじゃないので、途中から体勢が崩れてくるんですよね……。しゃがみジャンプに近づくと、上下よりもどんどん前後の縄の通過に傾斜した回しかたになるのです。

前後に回すから、ますます前かがみになる部分もあるのかも。スキーのように、手や道具が支点になっていると体が前に進む作用が、なわとびでも働いているのかな、とも思いました。