とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

699 交差が難しい理由

■ 縄を広げる方向はどこか?

今回は「回しかたのこと」。

またすこし、実感できた気がします。

前々回、 697 3重とびから4重とびへ では、腕を広げる回しやすさについて書きました。この胸に飛びこんでこい、とばかりに広げているわけではないのですが、縄が広がって、張りを感じられる「幅」で回すのに慣れてきたと思います。

そして、この感覚を知ると、他のフォームでは同じようにできなくて、難しいことに気づきます。腕を広げられないからです。


交差とびで考えてみましょう。

腕を広げて回しやすいのは、基本のオープンフォーム。これをクロスしてみると …… 横に広げられませんよね。交差で「横に広げる」というのは、交差を深くすることです。

普通、交差とびは、ひじから先の腕を重ねる程度で、ひじが交わるような重ねかたはしません。それを思いきって、ひじとひじがすれちがうほどに交差しても、オープンフォームで広げたときの「横幅」には届きません。

おそらく、この段階で肩が引きつれそうになるんじゃないでしょうか。それくらい、交差を横に広げるのは苦しいフォームなのです。

こう考えると、「オープンフォームと同じように縄を広げれば回せそう」と思って跳ね返されるところに、交差がうまくいかない難しさが浮かんできます。


ただ、発想は間違ってないと思うんです。

問題は、縄を広げる「方向」じゃないかと。

オープンフォームだと、腕を「横に」広げているように見えて、実は、ポイントは「縦」の広がりにあります。ずっと腕や手首の動かしかたが足りなかったのでわかるんですが、ある程度上下に振らないと、縄はうまく回りません。それこそ、上下に跳ねさせるくらいの動かしかたです。これがあって、横に張った縄は縦にも広がる。

それでは交差は?

縦に広がります。さっき書いたように、横に広げるには限度があります。オープンフォームと同じように「縄を広げる」には、縦、上下にこそ広がるスペースがあるわけです。

交差を回せば、縄の伸びる方向には自然に気づくものでしょう。でも、その前に「縄を広げる」発想があるかどうかで、交差の回しかたに差がつくと思います。

これだけだと、ひたすら縄を伸ばそうとしてしまいがちですが、ひとまず交差でも腕を先まで大きく回せば、縄も大きな回転になって上下に広がります。腕だけでなく「腕の先まで」です。手首、手、グリップ。そこまで回せれば、縄が広がる感覚にたどりつくのではないでしょうか。


2重とび以上だとどうでしょう。

オープンとクロス(交差)の、いわゆるはやぶさは、跳べる子が多いです。オープン(腕を開く動作)があって、縄を広げやすいからでしょう。ところが交差2重とびになると、苦手意識のある子が増えます。今回の話で、縄を広げられないからかな、と思いました。

上で書いた、交差しながら大きく回して縄を伸ばす動き。これを空中で2回、が交差2重とびです。はやぶさが得意な子でも、交差2重では小手先で回してしまう様子もよく見るので、多少動きが大げさになっても、特に上へ縄を広げられるようにチャレンジするのも手かなと思いました。(足の下へ力を入れるのはよくできるので)

その起点となるのが前回書いたジャンプでしょうか。まずジャンプして体を安定させれば、大きく回すのもやりやすくなりそうです。

イラスト:ぐぬぬ、とうなりながら、交差した腕を横に広げようとしている女の子。頭上をもやもやした模様がただよっている。縄の広がりに左右への矢印。それを見ながら、やりすぎじゃ…とつぶやいて、交差の縄を縦に伸ばしている男の子。こちらは上下への矢印。

その交差、横に広げる? 縦に広げる?