とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

556 自分の中に軸を持て

今回は「軸のこと」。

そう!

速く回転するためには 助走のスピードよりも 回転の中心軸への意識が大事なんだ

   ―― つるまいかだ『メダリスト』「score11 夜が嫌い」(講談社

フィギュアスケートのマンガで、主人公が2回転(ダブル)アクセルに挑戦しているときのコーチの言葉です。勢いも必要だけど、あまり外側に勢いがつきすぎると回転がブレるのだとか……。

なわとびだと、縄に遠心力をつけて勢いをつけましょうと言われます。フィギュアの場合、遠心力に乗ると、体が外にブレてしまうのでしょう。回転はするけれど、「体の真ん中を軸にして回れたか」が重要になるんですね。


なわとびならどうか、と考えました。

フィギュアと違って、新体操風に言えば縄という「手具」を持つなわとびだと、縄に遠心力をかけるのはスピードや安定のために必要です。問題は軸。この場合、やっぱり体になるわけですが、横と縦の軸をイメージしました。

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縄を回すには「横」の軸がポイントになります。

縄の軌道がタイヤだとすれば、回している腕が軸。これがブレているとタイヤの動き = 縄の回転もブレる理屈です。ブレない軸とは「直線」でしょう。左右のグリップが真横に伸びて作る直線が、きれいに縄を回す軸になるイメージです。

EBで書いた話がそのイメージで、

471 EBに直線を見た
472 まっすぐ回すか? 斜めに入れるか?

特殊交差でも、縄を張るには軸となる手がまっすぐになっていると回しやすい話でした。これは、EBを斜めに作ったほうが(特にSEB系の技で)次の動きにつなげやすいと書いた 472 でも同じです。斜めの軸とは、左右の手が斜めに直線を作っている状態です。

真横でも、斜めでも、軸はまっすぐということですね。これはつまり、グリップの向きを手でまっすぐに整えるフォームです。


それでは、「縦」はどんな軸か?

フィギュアの軸は、「体の真ん中を軸」と書かれているように、縦の軸です。なわとびでも、EK、ハミングバード、ゴーストといった技、あるいはちょっとしたムーブで体を回転させるときに縦の軸が出現します。これもまた重要だとは思いますが、もっと頻繁に使う縦の軸として、単純に「ジャンプの軸」のイメージが浮かびました。

ジャンプの軸。中心にどう動くかというより、「軸にそって上に跳べているか?」のイメージです。

技のために力をこめると、意識が、縄を回す手やフォームのほうへ行ってしまって、ジャンプが抑えられてしまう話は何度も書きました。軸のイメージに合わせると、本当はもっと上まで伸びているはずの軸が、途中までしか伸びないような絵が浮かびます。

そうなると、顔を上げたフォームのほうが、背すじから頭まで縦に軸が伸びた感覚で跳べるので、いいのかもしれません。「頭・上半身をもっと上に持っていこう」の目標をサポートするイメージにならないかなと思います。


横(左右)、縦(上下)、ときたら、もう1つ、「前後」の軸も……?

これはあまりイメージできませんでした。オーサムアニーやスペシャルウォークのような動きで、進行方向にブレない軸でしょうか。考えてみたい視点です。