とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

709 見えない交差

■ 体と縄で交差が生まれる

今回は「ゆがみのこと」。

 ―― こんなところにも交差が。

と思ったのはいつのことでしょうか。肩や腕の作る横の線と、縄が体に向かってくる縦の線。前後左右上下の3次元で動きを考えたころに、ふと浮かんだ覚えがあります。

左右に伸びる横の線はともかく、縄の動きは縦というより前後に走る線ですが、上から見れば、横のラインに対して、縦に引かれたラインになります。2本の線をイメージできたとき、そこに交差(クロス、十字)が浮かびあがります。

なんでこんな書きだしにしたかというと、縄の軌道のズレは、こういう視点から見ても説明がつくんだなあと思ったからです。特に、僕の場合、体が右に傾くとよく書くし実際そうなんですが、縄は左にそれる(左足だけに当たる)こともあります。どういうクセなんだろうと疑問だったのが、理解できた気がしました。


こういうことです。

イラスト:上から見た図。1.肩の横のラインと縄の軌道が垂直なパターン。 2.体の傾き(右肩が前に出ている)で縄の軌道が左側にそれているパターン。 2の右側に、2を正面から見た図も。縄は体の左側にそれている。右上の余白に、いろんな角度の十字の模様。

上から見た「交差」

本来は、左のようにきれいな交差(十字)ができれば左右のブレはあまりないと思います。

ところが、僕の場合、右のズレかたをするんです。右半身のほうが重いバランスの悪さもあって、右中心の動きになりやすいからでしょう。日常生活では右に引きがちな体が、交差だと、腕を前に出すからなのか右半身から前に出やすくなります。そうしてできた肩のラインは、真横よりも右前に傾きます。

皮肉なのは、ここで左の図のように、垂直な十字ができないことですね。横のラインが右上がりなら、縦のライン(縄の軌道)はすこし左に傾いて、垂直に交わりそうなものです。

実際は、中央から左にそれるように流れることが多いです。感覚的には、右半身にさえぎられて、縄が左に滑っていくようないびつさがあります。おそらく、体(横のライン)は傾きつつも、縄は前後にまっすぐ通っていくように意識しているからでしょう。

縄の動きだけ見てると「なぜかそれる」し、手や腕もそちらに流されている。そんなとき、気づきのヒントになるのが、体と軌道の作っている交差のズレかたとその理由なのかと思いました。できない苦しさのような感覚も、すこしは伝わるかな……。


ただ、これ、解決にはなってないんですよね。

大もとは体のゆがみで、すぐに直るものではないからです。ましてや、空中に跳んだら、ますますゆがみを抑えるのは大変になります。なので、解明になっていたとしても、解決ではない。

それに、全部の技(動き)で同じわけではありません。

普通のMICリリースだと、キャッチするために縄を前に持ってこようとすると右寄りになるし、サイドスイングからの交差でも右寄りになりがちです。僕の場合、両方とも左から右側への動きなで、比重の大きい右半身が縄の動きにつられて、右に寄ってしまうのです。

本当にそのレベルで体や縄を制御できません。足1つぶんズレて引っかかることもしょっちゅうです。

それでも、昔は縄が高いから当たると思いこんでましたし、縄がそれても理由(特に体の状態)がよくわかっていませんでした。それを対処できないことが自分の腕前なんですが、こうやって自分の体を理解していくのも全身運動との付きあいかたかな、なんて思ってます。