■ 安定した構えのまま交差を作る
今回は「フォームのこと」。
体勢が崩れる人向けの話です。
いつも3重あやの連続を30分近く練習しています。残念ながら、8種類連続で成功したことがありません。だいたい、交差始まりの技で体や腕がねじれて縄がそれて、引っかかります。もう3年くらいこの状態です。
ただ、4重とびの感覚を使うと、多少跳びやすくなりました。
僕が跳べるのは4重とびが限界ですが、そのぶん、ちゃんと跳べるように先に体を構えることが多いです。手の動きを確かめたり、いったん背筋を伸ばしたり。予備動作で体を整えることで、本番で不意に体が崩れるのを防げます。絵の下書きみたいなものでしょう。
3重あやでも、体を構えてみました。
ただし、4重とびと同じ姿勢です。前とびなのでオープンスタンス。軽く手を動かすと、僕の体だと即座に右側にゆがみがきます。さらに、縄が避けるように左にそれるイメージまで浮かびます。ほとんど反射に近いのでどうにもならないんですが、そこを左右均等になるように修正します。ズレていた縄のイメージも、中央に近づきます。
4重とびだと、姿勢の調整はここまでで、あとは手の動きや縄が回るタイミングを確かめて実際に跳んでます。問題の3重あやでは、弱点になっているのは交差です。そこで、腕以外はオープンスタンスのときのままで、腕を交差させてみました。
肩から胸の感覚が違いました。ねじれていない――。
僕の場合、交差は中央をつかみきれなくて、「人」の字のように左右どちらかに縄が逃げることが多いです。体も、中央を避けるようにねじれていることが多い。それで、交差と体のねじれは自分の中でセットに近い感覚でした。
オープンスタンスを維持して交差を作ってみると、体のねじれをあまり感じませんでした。その構えを覚えて3重あや(たとえば[CCO → COC → OCC])を跳んでみると、まっすぐ回ってる感覚が強くて続けられる。
交差とオープンは近いようで別物と思っていましたが、中心となる体の構えはつながってるんだなあ、と10年なわとびしてようやく気づきました。体幹と手の動きを別物ととらえたこの話にも近いものがありますね。
とはいえ、やっぱり連続は厳しいです。
右脚がO脚ぎみで着地する足が左右そろいづらいのもあって、着地するたびに体の揺れと崩れが襲ってくるのです。そうやって最初の感覚が薄れていく。せっかく作ったまっすぐ感も、維持するのはまた別の難しさがあるということですね。単発でバランスを取りながら跳んでいると、自分もまた、前回書いたような「大技発表会」だな …… と思います。
体のクセを思えば、跳びはじめのゆがみを抑えられただけでも成功でしょうか。
すこし似た話で、最近、初めてSEBEBOを跳べました。あまりやったことがない技で、SEBEBEB(3重前後交差)はできるのに最後をOにすると体が崩れてばかり。
これも、SEBEBEBを跳んだあとで挑戦してみると、SEBEBまでの感覚が体に残って、体勢を維持しやすかった覚えがあります。途中まで違う技の構えで安定を得るところが似ていると思いました。