とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

727 グリップを立てる

■ グリップの動きを縄へ

今回は「回しかたのこと」。

グリップを動かす、ということです。

うまく回せないときには、手が動いていないことが多いと思います。縄は回るものの、速く回したり、いろんな方向へ動かそうとすると、思ったように回ってくれない。手先の動きが足りないからです。

手と縄をつなぐものはグリップ。手が動かなければ、グリップも動きません。指先でジェスチャーを作るように、ちょっと「わざと」くらいにグリップを動かすことが、縄を回す手助けになるのかな、というお話です。


きっかけは後ろSOEBOでした。


夏前あたりからひさしぶりに跳んでるんですが、けっこう苦戦してました。EBまではいけても、最後のOが間にあわず……。間にあわないというより、例によって横にそれて足の下を通らないのです。

なぜか? と考えて、腕で回しているからだと気づきました。この技、EBに入るところで動きが大きくなるので、最後に戻すように回しきる動きも勢いづいてしまうのです。力んだときの動作にありがちな話で、腕は振れても手を動かせていない。腕だけでは、縄のコントロールが大ざっぱなのです。

改めてEBの状態で動きを止めてみると、グリップが水平なままでした。縄も水平移動に近くて、もっと下に弧を描くような回しかたにしないといけません。振り子のように動かす必要がある、ということです。

どうするか? グリップを下に向ければいいのです。ちょっと「わざと」くらいに動かすと、足の下で縄を振る感覚が伝わってきました。こうなればしめたもの。EBからOへの振りと戻しが、グリップを通じてうまく動いて、最後まで回りきってくれました。

そのとき、「グリップを立てた」くらいに感じたイメージが、タイトルです。


普通に回すときがすでにそうですね。

手首を固めたままだと、よほどうまく腕で縄の上下をコントロールしないと回せません。これを、大げさでも上へ下へとグリップを「立てる」と、上下への動きが生まれます。「上下に振る」の練習と言ってもいいくらいです。


個人的に、後ろ3重とびはこれくらい大げさに回すほうが安定して回せます。裏を返せば、大げさに回さないとまだまだ後ろ3重は回せないということですし、連続だと疲れも大きいので10回超えがやっとですが……。

後ろSOEBOも、サイドスイングの段階から(もっと言えば予備跳躍の段階から)、グリップを大きく動かして縄の動きを「手中に」しておくと、最初から最後まで縄が走ってくれます。


ちょっとした言いかえかな、と思います。

「手首で回す」とよく言われますが、言うほど簡単ではありません。あれは、上手な人のうまさを表現する言葉であって、アドバイスとして投げかけるには難しい言葉だと思っています。

ただ、「手首で回す=グリップを動かす」と言いかえれば、だいぶアドバイス寄りになるんじゃないでしょうか。具体的な動きに落としこむのは、なわとびに限らず大事な誘導です。それをさらに大げさにすると、「グリップを立てる」になるわけです。(今度はちょっと極端に走りかけてますけど)

上手な人でも、SEB系の入りで手やグリップを大きめに(上に)振っているのを見ます。それこそグリップが立つほどに。小刻みばかりが名人技ではないのでしょう。

イラスト:左半分に、グリップを立ててウィンクしている男の子のアップ。右側には、後ろEBでグリップを下に向けて回している女の子と、グリップを上に向けて縄を大きく回す男の子のイメージ。

グリップの角度に期待をこめて