■ 8連続を跳びきった日
今回は「3重あやのこと」。
初めて8連続で跳べた……。
このまえの連休最終日に、3重あや8種類を連続で跳べました。2、3年くらい続けていたでしょうか。サイドスイングありならずっと前にできたんですが、純粋な3重あやだと歯が立たないまま、毎週のように公園で挑戦してました。
・フォームが安定していたこと
・苦手な回しかたを先にしたこと
あたりがうまくいった理由だった気がします。
フォームはこのときの話そのままです。
体がゆがんでる身としては、今のところかなりいい効果が出ています。跳ぶ前に体を整えるって大事ですね。背骨を優しく手で包んで、まっすぐ伸ばしてから交差を作っているような心構えを持てています。
「苦手な回しかたを先にした」のほうはたまたまの順番でした。
8種類を跳ぶ順番は決めていて、引っかかるたびに最初に戻ると前半ばかり跳ぶことになるので、引っかかったら連続の途中から再スタートすることにしています。個人的に[CCO → COC → OCC]あたりが苦手で、8連続できたときはちょうどここから再スタートしたときでした。
苦手な部分を最初に切りぬけたから、跳びきれたとも思っています。
うまくいくときは、感覚がつながるんですよね。
できる感覚を維持できるのです。体をまっすぐに保(たも)つこと。余裕のある高さで跳べること。縄を振るように手を動かせること。これが1つでも崩れると、連続とびは一気に難しくなって、立て直しもままなりません。(サイドスイングがあるかないかで難しさが変わるのは、いったん縄を横に「逃がして」立て直す余裕があるかないかの違いが大きいからだと思います)
この日は、後ろ3重とびも10回以上跳べたし、SEB系の多回旋もいろいろ跳べて、まるでそれぞれの技でお互いの感覚を共有して回せたような気分でした。
―― どの技も縄でつながっていて、それを回せている自分がいる。
なわとび好きとして、こんな実感がわいて幸せな日でした。
最後にすこし、自分語りです。
実はその日の夜、どんなふうにブログに書こうかと、8回跳び終えたときのことを思いかえしたら、いきなり涙があふれてきました。不意打ちでした。
そして、強くまぶたを閉じて、うつむきながら気づいたんです。コンプレックスだったんだ、と。
跳べたとき、そこまで喜びが爆発したわけではありません。吠(ほ)えることもなく、深く息をついたくらい。「嘆息」と呼ぶんでしょうか。3年近く続けて初めてだったわりに抑えたようなリアクションだったのは、やっとここまでか、とわかっていたからでしょう。
世のなか、もっとできる人がたくさんいるのを知っています。子どもでも、連続3重あやをできる子が何十人(何百人?)といる。僕は、そこすら届かなかった。好きで続けていればできそうなステージにのぼることもできなかった。
それがわかっていたから、跳べても冷静でした。ただ、それでも、ダメなままで終わらずにすんだ。喜びというより、安心でした。
いったいどれだけの人が、クロスとオープンを繰り返してきたのでしょう。