とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

737 屋内なわとびとオウンゴール

■ 屋内施設があるっていいこと?

今回は「施設のこと」。

 ―― じゃあ、そこに行けばいいって話にもなるよね。

以前、専用施設の記事か何かで、こんなコメントを見た覚えがあります。スケートボードの専用練習場が新設されたときだったでしょうか。

スケートボードは、ぶつかり事故防止のために駅前や公園で禁止されていることが多くて、練習場所が限られているのが背景にあるようです。専用練習場があればスケボー難民が助かる一方で、それ以外の場所はますます限られてしまうんじゃ …… という流れで上のコメントが目につきました。


なわとびの施設問題でも、構図が似てますね。

なわとびの場合、屋内で練習したいときに断られがちです。床を縄で打つイメージが良くないのか……。そんななわとびの競技大会は、ほぼ屋内で行われていることもあって、演技練習や撮影など、施設を使いたい人はたくさんいます。受けいれてくれる施設や、それこそチームやスクールで練習場所を持っているなら、気がねなく屋内でなわとびができるのです。

そんなとき、「じゃあ」と冒頭の一言が出てくると――。

一気に現実に戻されます。むしろ、選択肢の少ない現実が、余計にくっきり描かれると言ってもいいでしょう。あのコメントも、路上のスケボーが迷惑だと思ってる人の「専用施設に行ってくれればいいのに」という気持ちが含まれていたのかもしれません。

そういう目で見てしまえば皮肉っぽい反応にもなるんでしょうけど、専用施設は、ないよりも「ある」ほうが可能性が広がると思うんです。

近くにあれば当然ありがたいし、事実や実績として、今後各地に増えていく機運も高まります。種1つの段階だと1本の樹にしかならないように思えても、花が咲いて風に乗って、種が広がっていく。100の壁に阻(はば)まれても、1か所根づけば新たな1本です。

公園や学校で跳んで満足してる身なので、もっと広がる話なのか、持続するのが難しい話なのか、あとは想像にまかせているんですが……。

「専用施設」のイメージって受け手によって変わるものだな、と思いました。


今回の話は、このまえの後日談でもあります。

 


あのあと、日本産のホタテが加工先の国に受けいれてもらえない話を何度か目にしました。ある解説で、こんなことを言ってました。

 ―― 受注できず困った加工先の企業が、今度は東南アジアに拠点を移す動きもあるらしい。その国にしてみれば、国内産業が他国に行ってしまうわけで、国策のオウンゴールと言えるかもしれない。

上の 725 が施設利用の話だったので、「オウンゴール」から連想したのが、前半の話です。

ただ、解説の内容と比べてみると、配役がちょっと違う感じもします。解説は、どちらかというと「追いだした」側のオウンゴールだと言っている。となると、なわとびなら利用を断っている施設のこと……。


「この施設は、困ったときにも手を差しのべてくれた」

たとえば将来、なわとびがもっと屋内で跳ばれるようになって、思い出のように誰かがインタビューでこう答えたら。

施設にしてみればちょっとした美談ですよね。「それに引きかえ……」と断った施設をつるしあげるのは品のない話ですが、追いだした側が損をするパターンもあるのかもしれません。

なわとび側にも施設側にも、それぞれ言い分はあると思います。拠点が増える未来、床への影響を理解しあえる未来、いろんな道が「伸びる」といいですね。

イラスト:家の形の縁取りの中に、屋内で教える様子、床のキズを協議する様子、マットを敷いてスピードかけ足をする様子が見える。それぞれの「家」に道が伸びている。「外」でも、跳ぶ子たち、家をながめる子などが描かれている。

中と外、気持ちは同じ