■ 時に重みは技術の味方
今回は「重さのこと」。
なわとびで使う縄は、重さに違いがあります。
たとえば、単縄の世界で主に使われているビニールロープには、インドロープと韓国ロープの重さがあります。たぶん、縄の太さ(径)の違い。4.0mmと 3.5mmくらいの違いが重さにも影響してるのでしょう。あとは、芯が詰まっているか、繊維が通っているか。
主流なのは、インドロープや、同じくらいの太さで繊維が入ったアメリカロープのようです。僕はどうも重さの負荷が大きくて、長くは使いつづけられませんでした。それで軽めの韓国ロープを使ってる期間が大半です。
ただ、最近になってようやく、その軽さで回しきれないことが出てきました。
わかりやすいのが4重とびです。
今の時期だと、寒くて手を動かしきれない日があります。そんなとき、韓国ロープだと回しきれないのに、インドロープだと重みで回りきってくれるケースも多い。
重いとかえって回すのが大変に思えるかもしれません。でも、なわとびは回すのにある程度の重さがあったほうが勢いをつけやすいし、縄も安定します。布製の縄が回しづらいのを考えるとわかりやすいでしょう。
重要になるのは、そうやって縄をとらえて回せるだけの技術。腕で力ずくで回していたころに比べて、[ 手 → グリップ → 縄 ]と力をつなげられるようになったおかげか、韓国ロープでも回しやすいです。ただ、ぎりぎり跳べるレベルの4重とびだと、寒さや疲れで技術が追いつかず、跳びきれないこともあります。その壁を、縄の重みが越えてくれるわけです。
軽い縄にはそれなりのアクションを加えないと回せない、ということでもあります。重い縄は最低限のアクションで回ってくれるのがメリットなわけですね。もともと、それは上手な人の様子から見えていたことで、自分の技術がようやく届きはじめたのでしょう。(10年以上かかってますが)
子どもを見ていても思うことがあります。
縄がふにゃっとしてる子に僕の縄を貸して、大きめに回してみるように伝えると、けっこうきれいに回せるんですよね。1年前にも書きました。
その子の縄に比べて縄に重さがあるのが1つのポイントだと思っています。
「重いかもしれないけど、縄が回ってる感じはわかる?」
この投げかけで、きれいに回す感覚につながっていく子もいて、重さが技術を呼び覚ましているとも言える。僕も、リリースはいったん重い縄にしたら感覚がつかめた過去があります。
今も、ジャンプリリースあたりは縄が重いほうが安定します。これも、地に足の着いたリリースに比べて技術的に安定していないぶん、「重さでカバーできる」例でしょう。
前回紹介したステップもそうです。
縄をゆったり回してその間にステップを刻むタイプだと、縄が重いほうがちゃんと形になりますね……。今回の話は、そこからあれこれ考えてみた話です。「重さ」をテーマにした話は何度も書いていて、今回みたいにそのときの技術で縄を語ってることが多いですね。
縄の重さで悩めるのは進歩ですし、とっかえひっかえする楽しさはありますけど、まだ決め打ちには届かない日々です。