■ 左足スタートではいけないのか?
今回は「ルールのこと」。
競技なわとびにはスピード競技があります。かけ足の回数を競う種目で、短期戦の30秒スピードと持久戦の3分スピードがあります。
ただし、カウントは片足をついた回数で数えます。30秒スピードだと 100回越えがトップ選手の水準です。実際は 200回以上かけ足で跳んでいるということです。当然縄も 200回以上回しています。たった30秒のうちに、ですよ。
このカウントの片足、ルールでは「右足」と決まっています。
ジャッジはカウンターを握り、右足が床に着くたびにカウントボタンを押して計測します。その場かけ足なので、ズダダダ …… とフロアが踏み鳴らされるのがこの競技の音の光景なんですが、ジャッジの近くだと、シャカシャカシャカ …… とカウンターが絶え間なく数字を刻んでいるのもまた別の音の光景。
ただし、ジャッジのそれは一方の足のタイミングなんですよね。なぜ右足なんでしょう?
ここからはルール解説ではなく、推測中心です。
世のなか、右利きの人が多いからでしょうか。だいたい利き手の比率は9:1で右利きが大半で、昔だと左利きの人は「矯正」までされるほど右が主流の右利き世界でした。
左主体の人は、右足カウントってどうなんでしょうね。
今は文房具売り場で左利き用のはさみも1本は置いてあるくらい、左利きの人にも合わせた様子が見られます。マイノリティへの配慮とも言えます。では、スピード競技は?
利き手に対して利き足がどれくらいかけ足に影響しているのか……。メインとなる手の動作に関わるのが利き手なら、両足で行われるかけ足には利き足で不利は生まれないように思えます。
ただ、僕のように右足が開きぎみで体が右に寄ってしまう人だと、右足への意識がバランスの崩れにつながる場合もあります。それでも影響は小さいかな……。しいて言えば、右足カウントならかけ足スタートは当然右足からにするので、「始めの一歩」の影響はあるでしょう。すぐに誤差になっていくのかもしれませんが。
ジャッジからすると影響ありかもしれませんね。
選手によって、見るべき足が変わる。足の確認が競技手順として増えることにもなります。右足カウントに慣れていると、左足カウントでミスることもあるんでしょうか。
この「左右の自由」が問題としては小さくて限られているなら、クローズアップすることにあまりメリットがありません。むしろ別の問題につながってしまうかもしれない。大会競技だと新記録、次戦進出判定などが左右されることもあります。
一方で万人向けのイベントだと、もうすこしゆるやかにとらえることもできそう。もっとも、本当に自由かどうかを言いだすと、会の性質やジャッジの厳密さで左右が左右されること自体、もめる可能性もありますが……。
昔、ジャッジ講習を受けたときには、足先の動きよりも、ももやひざが上下するのを見ると数えやすいと聞いた覚えがあります。たとえば足にバンドを巻けばジャッジしやすくなるなら、解決策になるんでしょうか。
う~ん、やっぱりそこまでの問題にはならない話かな……。
リリースは片手で回すので、明らかに利き手が出る技です。だからといって縛りがあるわけでもありません。回す手は自由。左右非対称の技でも、フォームの右と左を入れかえても別の技とはみなされません。入れかえそのものに技術点がつく技があるくらい。このあたりで左右に特段の縛りはないわけです。
競技にもなわとびの世界にもあまり首をつっこんでないので、左足カウントは思いつきのテーマでしかないんですが、違いがあることはこういうところにも表れるんだな、と思った話でした。