■ ある日のはやぶさ講座
今回は「はやぶさのこと」。
いろんな技を教えてほしいと言われます。
はやぶさもその1つ。今回は3年生の子でした。見せてもらうとOCタイプ。[ 前回し(オープン) → 交差(クロス) ]の2重とびです。子どものころはCO(交差 → 開く)ばかりだったので、いまだにこっちのタイプが来ると慣れませんね……。
今回は、あまりにうまくいってびっくりした体験談です。ちょっと教えたら、その子は5分後には連続で2回跳べてしまいました。
教えたのは見本含めて4つ。
0.見本を見せる(イメージ)
1.縄を大きめに回す(コントロール)
2.交差のズレを直す(修正)
3.前とびに戻る(タイミング)
順番はそのときの流れです。見本はゆったりと跳んで見せたんですが、全体的なイメージがつかめたのか、その子も余裕を持ったジャンプで挑戦するようになりました。それまでは速く回すことに気を取られて動きが小さすぎるし、ジャンプも低くかったのです。
予備跳躍に余裕ができる跳びかたでもあるので、縄も大きめに回していました。これがちょうど1のようにたるまない縄を作って、うまいことコントロールにもつながっていたみたい。ただ、交差で終わるところで縄が横にそれていました。これが2のズレです。
「跳び終わったときに動きを止めてみて」と伝えました。縄の位置を見て、最後がズレてることに気づいた様子。次の1回でまっすぐ交差を回せて、もう修正完了。あとはすこしスピードをつければ ―― と思ったところで跳べてしまいました。本人も同じ手ごたえを感じていたんでしょうね。ちょっとしたシンクロでした。
そしてついでの2回目です。
そこからは跳べたり跳べなかったりを繰り返してましたが、早くも2回目を跳びたいらしくて、「続かない~」と再び近づいてきました。ここはスモールステップの教えに従って、「3.前とびに戻る」の出番です。
一度はやぶさで高めた縄のスピードを、前とびに戻ることで遅く調整します。縄のコントロールですね。そうすると、自分の跳びたいタイミングに縄を持ってくることにもつながります。ここが重要。1回はやぶさを跳ぶと、がむしゃらに回した縄の勢いが良すぎて2回目につながりません。跳べるスピードに調整することで、2回目のスタートが切れるのだと思います。
他の子もいるのでそれだけ伝えたら、見てないところで「できた!」の声。飲みこみが早い……。余裕のある予備跳躍を見るかぎり、実力はもうあると思ってましたが、とんとん拍子でした。
交差のズレは、自分が今でも身体的に直しきれないから、すぐに気づきました。その子も、跳べてからもクセが出やすくて苦戦しているみたいです。
それでも、OCタイプのはやぶさは回しやすいOから入るので教えやすいですね。うまくCにつなげられる視点を増やしていきたいです。