今回は「跳びかたのこと」。
―― この「くの字」、逆にできないものか……。
なぜか必ず見かける「くの字とび」。腰を折って足を上げる跳びかたです。2重とびやはやぶさをする子の1~2割はこのジャンプじゃないでしょうか。これ、ひざを曲げればラクになりそうなのに …… と思った話。
1.くの字のメリットとデメリット
2.ひざを曲げればそれでいいのか?
3.背伸びで練習
今回はこの3点で書きたいと思います。
くの字は、長い目で見るとあまりいい跳びかたではありません。
回数という意味でも、なわとびを続けていくという意味でも良くないということです。まずは着地が良くない。すこし前に上げた足を戻して下りるので、上下にまっすぐジャンプするより変に角度がついてバランスを取れません。安定して連続とびができないのです。
ジャンプとしても良くありません。ジャンプを「体を上に持ちあげる」運動として見るなら、足を前に伸ばしてしまうのは、腰~もも裏あたりの筋を下向きに引っぱって体の上昇をジャマしてしまうことになります。このクセがつくと、ジャンプ力の求められる多回旋技でことごとくブレーキがかかってしまいます。
ただ1点、くの字だと体を支えやすい効果があるとは思います。足を上げるために腹筋を固めて体幹を作っている感じ? 続けるほどキツい問題のほうが大きいものの、ジャンプ中のバランスを経験できる ―― のをメリットと言っていいのか……。
さて、ここで逆「くの字」ではどうかという話。
体勢ごと逆にしてエビぞりに、というわけではありません。伸ばした脚を曲げると、体の「く」の字に対して、脚が「>」になりますよね。これなら強引な体勢にならずにすみます。そのためにはひざを曲げればいい。ただし、ここで問題が1つ。
ひざを曲げればそれでいいのか?
子どもにアドバイスすると、ひざを曲げることに意識が行って、脚をたたんでいるだけになりがちです。これは教える側の「読み」不足。「ジャンプして上昇 → それからひざを曲げる」の流れを作れていないのです。
さらに、くの字の支配力はすごくて、脚を伸ばしてひざを曲げるパターンになる子もいます。これは僕も人のことを言えなくて、「ひざは曲がっているけど足が出ている」体勢になることがあります。強く縄を回す反動で体が後ろに押されるときですね。
このへんを跳ばずに覚えるには、背伸びがいいと思います。
このイラストで描いた感じ。まず体を持ちあげる感覚を知って、それに合わせて手やグリップを振る(=回す)。
くの字になってしまう子は、脚の前側優位というのか、ひざ・すね・甲・つま先あたりを動かしすぎています。背伸びでは足の裏やふくらはぎを使うので、脚の後ろ側を使って「跳ぶ」感覚に近づけるでしょう。おしりからもも裏を持ちあげるようにひざを曲げて、逆「くの字」を作ることができればさらにいいですね。
それでも体を曲げてしまうクセが出るなら、まずは「真上に」背伸びするのを意識するといいような……。
だって、腰が曲がらなければ、くの字にもなれませんから。
おまけ:なわとび美術館が延長公開になったそうです。イラスト展示ありがとうございます。(公園で8年以上跳んでる人)
【いつからなわとび美術館が13日までだと錯覚していた?】好評につき、20日(日)までになりました。なわとび寄付BOXになわとびが入れられてたり、ノートに「小学生の時は好きだったけど、今は公園でするのは恥ずかしい」といった感想が寄せられてました。#下京青少年活動センター pic.twitter.com/Za1UDRW7eV
— なわとびサークル CROSS CROSS@なわとび博2/5〜13 (@rsc_crosscross) 2022年2月14日