■ 腰から下を落とさない
今回は「ジャンプのこと」。
「まっすぐ上に跳ぼう」
ここ数年、ジャンプについてはこう言いつづけています。子どもに教えるときもそうですし、何より自分自身で心がけてきました。
ただ、そのつもりで跳んでも、あんまり体が上に伸びないことってあるんですよね。そういうときはだいたい、
・体が丸まっているから伸びない
・上半身だけが伸びて下半身がついてこない
のどちらかだと思います。自分でいろいろ跳んでみて、うまくいくのは「腰を入れている」ときだなと思ってます。
腰を入れると体が伸びるんですよ。
背伸びすると軽く体がそります。そのときの腰の動きが近いと思います。
どうしてまっすぐ上に跳べないかというと、基本的におしりが落ちているからだと思うんです。体が丸まっていればおしりが後ろに突きでるような格好ですし、上半身だけ伸びてもおしりが上がらなければ下半身がついてこない。座るときに体を支えるからでしょうか。おしりってそれなりに重いし、空中に連れていけないと体全体で跳べないんですよね。
かといって、ただおしりの位置を上げようとしても、どうも力の収まりが悪い。おしりが力むだけで、かえって体が上がりません。回す腕や肩に力が入ってうまくいかないのと同じです。
腰を入れると、筋肉がつながっているからでしょうか、おしりも自然と前や上に引かれて、ジャンプを妨(さまた)げません。
腰を前に …… と言っていいのかはわかりません。
僕は腰を何度も痛めているので、変に腰を伸縮させて跳ぶと何が起こるかわからなくて怖いのが大きいです。実際、意識しすぎると体のクセもあって、体の中でぐりっとねじれる感覚があります。
普通の人なら問題ないのかな? 子どもに言ってみたら、体がやわらかいせいか、容赦なくエビぞりになって、逆「く」の字になってしまいました……。伝える加減が難しい。やっぱり背伸びくらいが届きやすい言葉でしょうか。
スクワットやランジなど、筋トレの種類によっては、「骨盤を前に押し出す」と説明してるのを見たことがあります。どれくらい信用していい表現なのかはわからないんですが、背すじが曲がる姿勢は良くないから、と考えると近いものがありますね。
なわとびではおしりが落ちがちです。
着地で沈みこむだけでなく、跳ぶときもひざを曲げるついでに腰が落ちることがあります。そこからの「復帰」でジャンプにロスが生まれるんですよね。腰から下が落ちた姿勢では、体は簡単に上へあがりません。
「まっすぐ上に跳ぼう」と意識するようになって、背伸びのイメージで姿勢を作ることが増えて、自然と腰が入るようになってました。ジャンプで腰から下を連れていけない子を見ながら、感覚の違いを確かめているうちに、「あ、ここか」と思って言葉にしてみたのが今回の話です。
コシのある跳びかたにつながるといいなあ……。