とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

617 跳べない子の肩に翼を

今回は「ジャンプのこと」。

今年のなわとびシーズンにうまく伝わった話です。

ジャンプが低くなりがちな子に、背すじを伸ばしてみるように伝えてみたら、跳べる回数が増えました。2重とびやはやぶさだと、1~2回だったのが5回くらいまで届きました。

1.肩を上げる(=体を伸ばす)
2.ひざを伸ばす

もとは自分の4重とびの経験です。伝える順番など、教えてみて気づいたこともありました。


まずは「肩を上げる」。

ジャンプが低くなりがちな子は、小さく跳んでいるというより、自分で上昇を押さえつけているような体勢になります。そういう子は、まだ2重とびやはやぶさを回すのが苦手で、力を入れすぎたり、下方向に回しすぎたりして、ジャンプを押さえつけてしまうので、低くしか跳べないと思っています。

それが腕~肩のあたり。肩が上がらなければ、体も上がりません。高さの限界が肩にあるとも言えます。ただ、肩だけ上げても、「肩をすくめる」ポーズになるだけで、ジャンプの高さはそんなに変わりません。体、特に上半身がついてこないからです。

「背すじを伸ばしてみよう」と伝えると、1本芯(しん)が通って、肩を含めて体が伸びます。その伸びあがりがジャンプ自体の上昇にもつながります。僕が目の前で実演してマネしやすかったのもありますが、これで回数がすぐに伸びた子もいました。

それでもまだ跳べない子は、何がネックになっているのか?


次は「ひざを伸ばす」です。

上半身が伸びても、今度は脚がついてきてない子がよくいます。そういう子は、跳ぶときにひざが曲がったままです。ジャンプで、いったんはひざを伸ばさないと、上まで力が伝わりません。ひざが伸びっぱなしなのはなわとびとして不格好ですが、まったく伸ばせずにいることもジャンプとして良くないのです。

シンプルに「ひざを伸ばしてみよう」でも効き目があります。曲げた脚全体で跳ぼうとしていた子にしてみれば、意識していなかった動きですから。加えて、「かかとを上げてみよう」で体全体の伸びあがりにもつながります。

[背すじ → ひざ]の順にしたのは、上半身が伸びあがってない状態でひざを伸ばしても、いわゆる「くの字」になってしまうからです。今考えると、くの字って、上半身のブレーキから生まれる姿勢とも言えますね。


ただ、繰り返すと徐々に体が曲がってきて続きません。

着地の影響だと思います。着地は、そのまま沈みこめば、体を上下にぺしゃんこにする動作です。次の縄が速く回ってきすぎるとか、単に上で書いた体勢を忘れてしまうとか、原因はいくつかあります。5回くらいまでは行くけど限界になるのは、ここに対策を打てるとさらに伸びそうですね。

肩を上げる=伸びあがる動作は、「そのあいだ縄を待つ」ことにもつながるとも思います。

そのタイミングに気づくと、体が伸びあがるまで縄を合わせるとか、高くなったジャンプで生まれた足の下の空間に縄を持ってくるとか、さらに自分でできることに気づけます。

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運動場のすみで、はばたきが聞こえる、と思えたときが幸せでした。

その翼で飛びこえたのは、自分の限界だよ。