とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

695 非対称とシーソー

■ フォームの非対称性に引きずられがち

今回は「対称のこと」。

まっすぐな体。

前回書いた話は、体を支えるバランスから生まれた発想でした。バランスというと、「対称」という言葉が浮かびます。真ん中を軸に、左右に同じバランスが展開された姿勢が、対称的に見えるからでしょう。


思いだす話がこれです。

森博嗣さんのミステリの一文を引いて、「ちょっとずらす」がテーマでした。なわとびでフォームが対称な技は、前とびや後ろとびのようなO(オープン)くらいしかないんじゃないかと書いてます。C(クロス、交差)ですら対称的でない ―― 非対称なのだ、とも書きました。

最近気づいたのは、「非対称なフォーム」だと回すのが苦しいことです。なわとびをしていれば、どこかで気づくでしょう。非対称だとねじれが生まれるからです。

特に、体にクセのある人は、そのねじれに自分のクセが出ます。僕だったら、交差で右手を右にひねってしまうとか、トードやEBなどの特殊交差で上半身が右にねじれやすいとか、フォームの非対称性に引きずられがちです。


バランスがわからないからズレるわけですね。

この対称性のズレは、左右よりも、上下や前後の非対称から起こっているように見えます。たまに3次元の関係を使ってフォームを語るんですけど、交差だと、ほぼ左右対称なようで、上下が違うから非対称 ―― のような言いかたができます。

違いは上下の位置関係にあるのに、回すときのズレは左右に及ぶところがおもしろいですね。手品にだまされるような憎たらしさはありますけど、興味深さとしては、やっぱりおもしろいものがあります。

対称対称と書いてきましたが、単純な前とびのOに見られるような「対称」は、左右対称、線対称です。つまり、軸として線がある。これは、なわとびでは体の支え、フォームの中心線ですよね。イラストにするとき線として表しやすいように、線対称だと支えもわかりやすいのです。

でも、交差だとどうでしょう。上下の違いは、腕の重なったところが中心点で、すこしズレた線対称のようです。支えかたとして意識したとき、急に難易度が増してませんか? 僕には、ここにバランスを取りづらい一因が見えると思います。体の落ち着くバランスを探るために、あっちへずらし、こっちへずらし、と繰り返す様子は、まるで水平に挑むシーソーのようです。


対策は下に回すことでしょうか。

ズレが生まれるのが、余計な力がかかっているから、あるいは、手が止まっているからだとしたら、本来回すべき方向に修正する必要があります。矢印で考えると、ズレた矢印は斜めを向いています。それなら、めざすのは真下 ―― ではないでしょうか。

前回の「真下」にも戻ってきましたね。その方向に縄を回すことで、非対称性も多少は克服できると思います。

イラスト:交差を作る女の子。難しげな顔で、まわりに「?」が浮かぶ。傾いたシーソーの図形の中に、角度に悩む手がすこしリアルに描かれている。傾いた文字で、右上に「See-Saw」、左下に「Maze」。周囲は網状のもや。

ズレに悩んで、いずれひらめいて