■ 夢の話だけど、技術の話。
今回は「回しかたのこと」。
前回の夢つながりで10重とび。
もちろん夢の中の話です。僕が実際に跳べるのは4重とび1回。ギネスでも、このあいだ中学生の子が記録した8重とびです。
夢の中って、浮遊感があるんですよね。寝ているときは足の裏が地面についていないのが理由らしい。それで、ときに宙を飛べるのです。(いや、飛べないぞ、という人もいるとは思いますが)
なわとびを始めてからは、それがわかりやすい形でブレンドされて、夢の中でなわとびしてると、いつも滞空時間が長いのです。そんなに高く跳んでる感覚(?)はないんですが、やっぱり足の裏が接地してないからなのか、着地するまでがすごくゆっくり。そのおかげで5重とびや6重とびも楽々跳べるのです。
このあいだ、10重とびに成功しました。
おもしろかったのは、夢の中なのに段階を踏んでいたことですね。5重とびができて、まだ余裕がありそうなので、着地まで何回回せるかねばってみたら10重とびできたという……。ちなみに、そのときは20重とびまで成功しました。なんだこの世界。
起きてからもわりと感覚が残っていました。思いかえして、あれ? と思ったのは、実際に4重とびするときと回しかたの感覚が違ったことです。
夢の中では、何回回せるかに意識が行ってるせいか、足の下を回すところにしか感覚がありませんでした。歩道橋の下を通過する車をながめて、数えているような感覚です。
でも、実際の4重とびの縄は、もっと体のまわりを回しています。上から下まで ―― いや、「下から上まで」のほうがしっくりきますね。足の前に縄を持ってきて、そこからの勢いが強い。足の下から頭の上まで、しっかり手を動かして縄の軌道を作るから、残りの軌道もつながるように線になって、体のまわりを回るのです。
そんな回しかたでここ数か月うまくいっているというのに、夢の中では足の下を回しているだけなのに違和感がないのです。落下がゆっくりで、自分が風船になったような浮遊状態に近いから、長い滞空時間に合わせる意識になるのでしょう。
それで Twitter(8/17)の[過去話]にこれをあげました。
昔からそうなんですけど、力が入るのは足の下へ回すときです。ただ、そこで手が止まって、背面から頭上までの縄の動きがおろそかになるから、縄の回りかたにブレがありました。(今は、上で書いたように足の下通過後も意識して手を動かしているので、縄の回りかたが均等に近い)
4年前の話ながら、空中の体の支えにもふれていました。縄のブレは、体のブレにもつながります。わかりやすいのは着地位置がだんだんズレてくることでしょう。力を入れがちな方向、特に、腕や体を引きやすい後ろ側にズレる場合は多いと思います。縄を1点に集中しすぎても、ひずみが生まれやすいわけです。
夢の中のホバリングしてるような浮遊状態にかき消されている物理法則が、現実にはあるということですね。雑談くらいにしかならないと思っていた空想世界に、ちょっと手が届いた感じでおもしろいです。
夢の中でも、自分の意志で体を動かしていた記憶は残りやすいのかな。
足の裏がついていないせいなのか、昔は走りたくても走れない夢(追いかけられているのに逃げられない状況)にうなされることがありました。悩みやストレスが夢の中で形を変えて物語になるのでしょう。
今は、なわとびや、空中移動する夢がたまに出てくるだけで、足が動かない系の悪夢はすっかり見なくなりました。心が平和な大人になれたのならうれしい。次に夢の中で跳べる日が楽しみです。