とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

784 ぐりぐり書きとリリース

■ 縄への力を広げる手の動き

今回は「リリースのこと」。

リリースは今でも不安定です。

どうにもグリップが真横にならずに角度がついてしまって体に寄ってきます。これも体が右に寄るのと似ていて、クセだと思っています。直そうにも、グリップをまっすぐに近づけると手首が固くて動かしづらい。

そんな状態を見ていると、小さな子がクレヨンを逆手に持って、ぐりぐり押しつけるように紙に描いている様子と重なるんですよね。

ちょっとつぶれたクレヨンの残った太い線は、何を描こうとしているのかなんとかわかるけれど、どうしてもいびつ。細かい微調整までは行き届いていない、大振りな縄と同じです。


なぜ、きれいに回らないのでしょう?

たとえば、一方のグリップを地面に置いて体の前でくるくる縄を回す「わたがし」がわかりやすい例です。

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学校で子どもに教えても、縄が小さく回るだけでグリップがいっこうに浮いてこない子が何人もいます。力が外に広がっていないからだと思います。ぐりぐり書きのように固まった手だと、一定以上の円から広がりません。クリームの泡立てでも、空気を含むように(ただしボウルから飛び散らない程度に)広げてかき混ぜることは多いようです。

普通の前とびでも同じで、縄は体に対して外に広がります。跳ぶときは主に上下ですね。これがないと勢いはつきません。慣れると、小さな動きでも「徐々に」力が伝わっていって、縄が広がるのがわかります。

ぐりぐり書きしていた子どもも、そのうち鉛筆の持ちかたを覚えて、指でペン先を動かして書いたり描いたりするようになります。なわとびの操作の発達段階に似ていますし、特にリリースは一方の手で行う動作だけに、さらに似ていると思います。


問題になるのは角度。

リリースで、グリップは必ずしも一点を向いていません。力を(縄を)広げるために、小さく円を描いていると思います。手を頂点にした円錐(えんすい)の底面のような軌道ですね。(円柱だとぐりぐりっぽい)

これが傾くと、縄も傾きます。傾いてもキャッチできればいいんですが、だいたい来てほしいところにグリップが戻ってきません。場合によっては体に当たってしまうこともあります。

イラスト:左上に鉛筆書きで紙に「ぐりぐり」クレヨンで線を描いている子の絵。その絵に続けて、「のように」「小さく回すと回らない」と書かれ、リリースの回しかたが小さい女の子の縄が失速している様子。中央に、「外に広げるように回す」男の子。矢印が上下に描かれ、きれいにリリースできている。その右に、「ただし」自分の側に縄が傾いてあせっている男の子。「傾くとブレる」

小さすぎると回らないし、傾けばブレる

リリースは華麗に見えて、操れないと厄介な技なんですよね……。

僕の場合、普通の技でも左右のブレがあって、スムーズに回らない大きな原因です。余計な角度、と言ってしまっていいでしょう。リリースだと両手でバランスを取れないぶん、角度の影響は大きいと思います。


ただ、角度ばかり気にしていると回せません。

リリースで回すのはあくまでも縄です。グリップから手を放して、ワンテンポ置いてからだと回しやすい気がします。放したグリップの重みが返ってくるからです。そこから縄を上まで動かすとグリップがついてくるのは、やはりぐりぐり書きではなく、縄を広げることで力が伝わるからでしょう。

角度は、そこまでできてから調整してもいいと思います。