とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

545 空回り探索隊(1)

今回は「回し方のこと」。

今回と次回は、空回りについて。今回は回転編です。

今年の学校のなわとびシーズンは、ずっと3重とびを教えていました。教えなかった日はないくらいです。小学2年生で跳べた子も初めて見ました。ただ、その跳べた子も含めて、同じくらいずっと目にしていたのが空回り。

僕もそうだったんですが、慣れないうちは、途中でなわをとらえらなくなって、回しきれずに終わることが多々あります。3重とびなら、特に3回旋目が壁でしょう。

コツは慣れと言ってしまえばそれまでです。問題は、「何に」慣れたらいいのかです。


今回は「手を動かす大きさ」についてです。

3重とびに限らず、手が止まってしまうから回せないのだ、という話は 541 体も縄も広げて回そう で書きました。途中で縄がふわっとゆるんでしまうのは、手を動かせていないせいで縄に力が伝わらないことが多いです。

3重とびで、もうすこしこの点に踏みこんでみると、短くすばやく回そうとするから、手が動かなくなるのが原因ではないかと思います。

短くすばやく回すって、たいへんです。「同じ小ささ」で回せないからです。それなりに力を入れて、だんだんと手が固くなるので、手を動かしにくくなってしまうのです。手の作る「回す円」が小さくなれば、当然それだけ縄への力も小さくなります。

「円」がしぼんで「点」になれば、力はゼロも同然。これが、手が動かないから縄も回らない状態だと僕は思っています。


それでも短くすばやく回してしまうのはなぜでしょうか。

すこし心理的なアプローチになります。「速く回すには、手を大きく動かしていてはまにあわない、上手な人のように、ひたすら小さく速く回さないと」 ―― こういう考え方が、縄も気持ちも早まらせて、実際のところは回しきれない状態におちいります。

僕はこの1年で、手を上に向けたり、グリップを回すのを心がけたりして、なんとか「手もとの回転」を作るように心がけてきました。子どもへのアドバイスも、そのあたりを取り入れるようになりました。

でも、それではまだ足りないみたいです。ひじから先を動かすくらいの大きさで、3重とびには大振りすぎるんじゃないかと思える回し方。まずそれがあって、次に、手やグリップを動かして手もとの回転を作ります。特に、足の前から頭の上へ振りあげるところで力を入れられるといいでしょう。

このとき動かす円(回転)は、腕から手へと小さくなっていきます。小さすぎて動かせなくなるほどではないのが重要です。そこで初めて、縄が張る瞬間を知ることができるのではないか、と思います。

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今回、この流れをイメージして、「回しはじめの大きさ」が大切だと思いました。

3重とびが空回りするのは、2重とびと同じくらいの大きさで回しはじめているせいもあるかもしれません。2重とびと同じ感覚で円が小さくなっているとしたら、3重とびでは最後の1回旋がすでに小さくなりすぎて、手を動かしきれないということです。

これを大きな円(回し方)で始めれば、円が小さくなっても回しきれる?

1シーズン教えてみて、そんなことを模索しました。次回はもう1つ、軌道編です。