■ クラッシュを防げないと不安
今回は「リスクのこと」。
教えづらいというより、やらせづらい技です。
776でクロスフリーズのアレンジについて書きました。クロスフリーズと言えば、あとはクロスフリーズリリースです。
ですが、学校のクラブではメニューに入れてません。グリップを落として壊しやすいからです。
見てのとおり、本来はあやとりからお手玉でもするような楽しさ満点の技です。クラブを始めたころは、この楽しさを伝えたくて入れていました。ただ ―― 失敗したときのリスクをあまり考えていませんでした。
コントロールが効かないんですよ。
ぐるっと回すためには、腕に縄を引っかけるのと、そこを支点にして回す必要があります。これができないと、コースアウトした車のようにグリップは軌道を失って落ちます。あまりのんびりやっても腕の下を回るところで失速して終わってしまうので、思わず勢いをつけるように言ってしまうこともあります。
どこまで回せるかに関わらず、ここで「キャッチできるかどうか」の場面に突入します。
空中に飛ばしたグリップを取るなんて、普通になわとびしてきた子にとってはほとんど経験のないことです。なんとかクロスフリーズからリリースしたのはいいけれど、そこから「グリップを取る」動きをとれないことだってあります。
それでグリップを地面に落としてしまうのです。
アスファルト、体育館のフロアやステージ、教室の木の床やピータイル、長尺シートの床 …… いろんな場所で教えましたが、グリップが壊れてしまう子がゼロだったことはありません。
グリップの質にもよると思います。
透明なグリップは質が低い傾向がある気がします。普通に跳んでいてもくびれたところで折れる子は何度か見ました。一番壊れやすいのは、重りが入っているタイプかな……。重みで手やグリップを動かしやすくして2重とびの速さも生みだせるようなデザインなんでしょうけど、その縄でクロスフリーズリリースまでやると、落としたときの衝撃も重いぶん大きいのだと思います。
これはもう、使いかた(使わせかた)が間違ってるわけで、道具や環境を考えずに教える側の責任と言ってもおかしくありません。苦情を受けたことはないんですが、リスクを防ぐ手立てを作れる自信がなかったので、この2、3年は封印してます。マットを準備できるほど時間があるわけでもありませんし……。
ピックアップも似たリスクを持っています。
引っぱる力かげんで後ろまで飛んでいって地面に激突してグリップが割れることがありました。これはそこまで強烈には起こらないので、運動場に移動して、土の上でやってます。強く引かないことがそのままポイントにもなりますしね。
単縄で使うグリップは、多回旋で握る力やリリースしやすい重さに合わせてか、やや厚めに成形されていることもあって、一般のグリップより頑丈だと思います。単縄をやろうとする人は技術もあるので、上の2つの技でグリップをクラッシュするケースはまれでしょう。でも、学校だと条件は同じではない ―― そんなお話でした。
