とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

152 縄を止めるのは恥じゃない

今回は「練習のこと」。

前回、はやぶさの練習で2重交差をやるといいと書きました。

2重交差をするというより、はやぶさで腕を開かず(2重交差状態で)2回めの縄が回ってくるタイミングを見ましょうということです。

これ、おそらく縄が足に当たります。タイミングを見るためのやりかたなので、別に問題ではありません。むしろ、縄が当たる感覚が大切になります。


要するに縄を止めちゃうわけです。

縄を止めれば当然足に当たります。この感覚が大切です。次は、この感覚を避けるように工夫しますからね(笑)。足に当たるタイミングを知っているから、逆に、足に当たらないタイミングをつかめるわけです。

上の例だと、2重交差の2回旋めで縄が足に当たります。元ははやぶさの練習なので、次は、どこで腕を開くかを考えるステップです。

縄が当たったのが足首なら、もっと下で縄が回るように腕を開かないといけません。縄が通りやすいように、膝を曲げたジャンプがいいと思うかもしれません。

言葉にしなくても、「こうやったら飛び越せるかな?」というイメージができると思います。

足に当てて縄を止めたことで、そこまで考えることができます。あとは試すだけ。

まっちゃんのあや跳びの練習法でも、「前とびの姿勢から交差で縄止め」という解説がありました。やはりタイミングその他を確かめるためです。

縄が足の下に来るタイミングより早いか遅いか。
交差の位置が高いから足に当たるなら、交差の位置を低くする。
ジャンプで膝が伸びて足に当たるなら、もうすこし膝を曲げて跳んでみる。

こうしたことが見えてきます。


でも、これって、ときにやりづらいとも思うんです。

一言で言えば、「失敗する自分を作りたくない」という意識ですね。

大半の人にとって、なわとびとは「跳び続ける」ことに価値があります。縄を止めるのは、その時点でなわとび終了=失敗なんです。なので、縄を止めた瞬間=ひっかかった瞬間に近いイメージになるんじゃないでしょうか。

いろんな人と練習していれば、その瞬間を見られます。1人で練習していても、誰かに見られるかもしれません(通りがかりの人とか)。

なのでやりづらい。練習でがむしゃらに跳ぶのは、部分部分の動きを身につけることを知らないせいもあるかもしれませんが、「できない自分を見せたくない」というプライド的な意識もあるように思えます。

縄を止めるのは、「動きを分けて段階的に覚える」いい練習になります。そのチャンスを、ちょっとしたプライドで失っているとしたら、もったいないですよね。

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ちょっと縄を止めて、考えるのもいいでしょう。上達への近道です。恥ずかしがることはありません。


ちなみに、縄を止めること自体が演出になっている技もあります。

つま先を上げて縄止め。クロスフリーズ。アームラップ。ヒーローフィニッシュ。グリコフリーズ。その他、体のいろんなところに縄をかけて、縄を止める技がいくつもあります。

これこそ、縄を止めるのを恥ずかしがっていたら意味がありません。

最近、京都大学のなわとびサークル・MTTRのかたがたの動画(学校祭でのパフォーマンス)が公開されました。いろんなかたが、パフォーマンスの中でいろんな縄止めをしていました。

ミスで無念、といった感じのかたもいましたが、あまりミスは印象に残りませんでした。それよりも、縄止めを始め、堂々と技を見せた姿のほうが印象的だったんですよね。難易度や成功率よりも、人に見せることが上手で、いいパフォーマンスでした。

練習でも、演出でも、恥ずかしがらずに縄を止めるのは大切ですね。