■ 軽くしまるようにしてみよう
今回は「腕の安定のこと」。
前回、手首の話を書いていて、浮かんだ言葉があります。
「わきをしめる」
手首で回すと同じように、よく聞く言葉です。僕自身、そうアドバイスを受けたことがありますし、自分の動画を見ていると腕が開いているのが気になります。
……が、いざわきをしめようとすると、どうにもうまくいきません。
わきをしめると、ほとんど手首しか動かなくなります。わきをしめる力を入れるために、わきからひじまでが固まってしまうんですね。
わきの下にタオルをはさんで、タオルが落ちないように ―― というわかりやすい実践があります。試してみると、わきの下でタオルを押さえつける力ばかりが入って、手首以外は全然腕が動かない状態になります。
「手首だけで回す状態」は作れますが、そのまま縄を回すのはきついのです。
「ひじをつける」のほうがわかりやすいと思います。
あまり体に押しつけなくても、「ひじを軽く体につける」くらいにすれば、勝手にわきもしまるからです。
力の入りぐあいもちょうどいいです。肩~ひじ~手首とつながる腕が、固くならずにすみます。
2024.7.17 追記:イラストはだいぶひじを密着させてしまいました。「ひじを近づける」くらいがいいバランスだと思います。
一番効果的だと思うのは、手がブレずにすむことです。
わきが開く(腕が開く)フォームは、極端な見方をすれば、肩から先が宙ぶらりんな状態です。縄の遠心力とうまくつり合いがとれるならともかく、そうでないと、全身の動きや縄の勢いに振り回されて、手の動きがブレてしまいます。
軽くでもひじがついていると、そのブレを押さえられますし、力を入れたいときだけ、体に押しつける力を強めればいいのです。
後ろ回しあたりは、けっこうこれが効果的な気がしますね。
後ろ3重などの多回旋や、後ろSASOなど多回旋に入る前の予備跳躍で、このブレを軽減した安定感がいきてくるのを実感しました。たとえ予備跳躍でも、その段階で手と縄が安定していれば、技に入る瞬間の安定感にもつながります。
ずっと、「わきをしめる」がうまくいきませんでした。
言葉をまともに受けとりすぎたせいだと思います。しめる部分を、わきよりも下のほうにして、「ひじをつける」くらいにすれば、こんなに安定したのに……。
今でも気を抜くとわきが開いて、縄がブレぎみになることはあります。でも、ブレたとき、思い出したようにひじをつけるクセがついてきました。
すこし前に、縄のまっちゃんも、タオルをわきにはさむのはある程度縄を回せるようになってから取りいれる練習法と書かれていました。
今回の話に効果があるなら、どれくらいの習熟度の人向けなのかな。ひじをつける(近づける)ことでわきもすこししまる。腕の安定も感じられることでしょう。