■ ジャンプは線分で跳んでいる
今回は「ジャンプのこと」。
線には、直線と線分があります。
・直線:2つの点を通るまっすぐな線
・線分:2つの点をつなぐまっすぐな線
ジャンプはまっすぐ。そんなことを何度か書いてきました。直線でまっすぐ真上に跳ぶイメージがありましたが、ジャンプは直線のようにどこまでも高く跳べるわけではありません。限界があるから、ジャンプは着地で終わるのです。
となると、ジャンプの軌跡は飛距離。空間を見るなら、足の裏と地面をつなぐ「線分」です。そんなイメージ上に走る線で、今回はジャンプを見てみましょう。
限りのあるジャンプを、線分というかたまりで見たとき、
1.どれだけ形を作れるか
2.どこまで体を持っていけるか
が重要になると思います。これがそのまま、ジャンプを作ることにもなります。
「1.どれだけ形を作れるか」は、つまり、「まっすぐに跳べるか」です。ここで描かれる線分は、決められた長さを持つ線です。
この線、どんなときが一番長くなるでしょうか?
まっすぐ伸びているときですよね。かがみすぎたり、僕みたいに横に傾きがちだと、線が曲がって、まっすぐのライン上では短くなってしまいます。ジャンプが高みまで伸びきらないのといっしょです。(イラストは大げさですけど)
「2.どこまで体を持っていけるか」は、今度は線分の長さの問題。
まっすぐでも、上半身を押さえたような跳びかただと、体は低くしか上がりません。線分が短くなるわけです。特になわとびだと、回すのを意識しすぎると上半身に力が入って体が上がりきりません。
まず跳びあがる。それが、線分なら長さを作る。
はやぶさやTJで、ジャンプを意識するのを忘れて、交差やS・トードの動きが強く入ってしまうとあまり跳べないのが、こういうパターンかと思います。
これまで、矢印で描くことが多かった話です。
矢印は方向がひと目でわかるので、まっすぐ上に! というメッセージ性が強い記号ですよね。一方、線分はわりとシンプル。まっすぐ、長さを作って跳びたちます。人を簡単に描けば棒人間になるようなシンプルさですが、ジャンプの大事な要素が宿っています。
こういうイメージでもジャンプにつながるものがあって、また新しい気持ちで跳んでみたいと思えますね。
直線のどこまでも続く高みに比べて、線分は「分をわきまえる」「領分」のような奥ゆかしさも感じます。
実力を受けいれる、が近いでしょうか。上で書いたことも、今はできるかぎりの長さでしかジャンプを作れないとも言えます。そのイメージの中で、線分がすこしでも伸びたとき、実際に跳ぶコツが自分の中に生まれているのかもしれません。